12.偽物恋愛トラッパー
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「婚約者へのプレゼントを選ぶ手伝いをさせられてたあ!?」
「はい。」
翌日、ヒナから話を聞いた四人は、あっけない結末に拍子抜けをくらっていた。
「依頼人の息子…身長が俺と同じくらいみたいで、サプライズであげたい服があって、どうしても着丈が合うか知りたいから協力してくれないかと。」
『じ…じゃあ…ヒナさんを誘ったのは好みだったからとかじゃなくて…その身長だったからですか…?』
「うん。」
思いもよらぬ展開に孝之助はゲラゲラと笑うと、笑いながらヒナの報告書に目を通した。
「てことは対象は浮気の心配はないってことだな。」
「一応会話も録音してますけど終始彼氏の自慢話ばかりで鬱陶しかったです。」
「はは!!あのモンスターババアもこれで納得すんだろ、まあお嫁さんにはこれから苦難が待ってそうで不憫だがな。さー報告書作るか。」
『なあんだ…。』
取り越し苦労の心配から解放されガクッと肩の力が抜けた佐奈に、和泉はコツンと頭を小突いて笑った。
「泣き損。」
『わ…忘れて下さいっっ!!』
和泉はまるで昨日のことなど全く覚えていないようにいつも通りだった。
どういう顔をすればいいのだろうと気にしていた佐奈は、そのいつもと変わらぬ和泉の態度に内心救われていた。
(きっと私が泣いたりしたから…ああ言って慰めてくれたんだ…。)
『あの…今度お礼にプリン作って来ますね。昨日四つも頂いちゃったので…。』
「お!!楽しみにしといてやるが中途半端なモン持って来んじゃねえぞ、俺のプリンに対する審査は厳しいぞ~。」
『中途半端なプリンて何ですか…。』
佐奈の言葉にケタケタと笑うと、和泉は佐奈を残し部屋を後にした。
ー…バタン
「はぁ…。」
「佐奈さんが泣き損なら、和泉は慰め損ですか?」
「おおおおうわっ!?びっくりした!!なんだよいるなら言えよ!!」
ファイルを片づけながら笑う九条を見ながら、和泉はふと何かに気付きさあっと青ざめた。
「ん…慰め損って何で知ってんだよ…!?まさか昨日見てやがったな!!!!!!」
「見てたと言うか元から佐奈さんと一緒に残ってたんですけどね、和泉が気付いてなかっただけです。これでも一応気を使って部屋に入ってこなかったんですから感謝して欲しいくらいです。」
「嘘つけてめえ…何かあったら面白いと思って聞き耳たててやがっただろ~…表出ろこの腹黒ヤロ――――――!!!!」
「あはは、どうどう。」
顔を真っ赤にして食って掛かる和泉をひとしきり茶化すと、九条はいじける和泉に笑って言った。
「報われませんねぇ、ヒナとくっついちゃいますよ?佐奈さん。」
「うるせーよ。お前はどうなんだよ、蚊帳の外ぶりやがって。」
「私は佐奈さんの事恋人なんていう脆い関係にしたくありませんから。誰とくっつこうが関係を持つ時は勝手に持ちますからご心配なく~。」
「待て待て待て待てお前やっぱ一番ろくでもねえわ!!!!」