01.難有り探偵社
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ー…コトッ…
「またこんな物騒なもの持ち込んで…おじいさんに返してきなさい、和泉。」
声のした方に佐奈が振り返ると、今までの二人とはうって変わって誠実で優しそうな青年が立っていた。
「紹介が遅れました、九条誠一(クジョウセイイチ)と申します。こんなに可愛い子と一緒に働けるなんて…嬉しいです。」
『え…そ…そんな……!!』
和泉を押しのけ笑顔で手を差し出した九条と佐奈は顔を赤らめながら握手をした。
誠実そうな名前に優しくて穏やかな雰囲気。
そして見とれてしまうほどの綺麗な顔立ちに、佐奈は思わず目を奪われた。
(きっと王子様って、こういう人のことを言うん…)
「そいつ詐欺師だからそんな頬染めてるとカモにされるぞ~。」
『・・・。』
「軍隊上がりのヤクザに言われたくないんですけど。だいたい仕事仲間にそんな事しません。」
「この間俺のプリン騙し取ったじゃねーか!!!それに俺は組長の孫なだけでヤクザじゃありまっせーん!!!」
ギャーギャーと言い争う二人をよそに、佐奈は一人がくっと腰を砕かれていた。
((やっぱり)冴嶋組絡みと元詐欺師…!?何なのこの職場…!!)
「アハハハハハ!!大丈夫か?佐奈ちゃん!!」
『だ…大丈夫です、問題ありません……。』
ゲラゲラ笑う孝之助を見て、佐奈はなぜあんな変な質問をされたのか理解した。
「あ、でも佐奈ちゃんと組んでもらうのはこいつらじゃないから。」
『…え?』
孝之助の言葉に佐奈はキョトンとしながら顔を上げた。
「ヒナ部屋にいた?」
「いると思いますよ。さっき帰ってきてましたから。」
「佐奈ちゃん、じゃあ奥の部屋に行って挨拶して来て。髪の長いヒナってのがいるから。」
『は…はい!!分かりました!!』
(良かった…女の人がいるんだ。この流れだと少し怖いけど女の人なら…!!)
佐奈は嬉しそうに返事をすると、少しの希望を胸に一人事務所の奥の部屋へと向かった。