03.スクリプトキディ
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翌日、水面下で動いていた九条の働きにより武蔵への小次郎のいじめは学校側に認められた。
マスコミと警察に介入されて入学生が減ることを恐れた学校側は
"確実にいじめを解決すること"を条件に
"マスコミにリークしない"という九条の提案を受け入れたのだ。
そしてその数日後、
すっかり憔悴しきった小次郎は結局自主退学することとなり、事件は幕を閉じたのだった。
..................
「お~!!九条っちお疲れ~♪」
皆が明るい顔で出迎える事務所に一際疲れた様子の九条が戻ってきた。
「ホント大変でしたよ…学校、教育委員会ハシゴして…あ、小次郎君ともお話させて頂きましたよ。」
「え?どうだった?あの子大丈夫そう?」
「ええ。もういじめはしないと思いますよ。」
きっぱりとそう言い切る九条に、一同は不思議そうに尋ねた。
「…なんで?えらくきっぱり言い切るな。」
「はい、きっちり心は折っておきましたから。あれで立ち直れるならば大したものです。」
「・・・。」
「それより方々から口止め料たんまり頂いたので美味しいものでも食べにいきましょう。」
「俺、たまに九条っちが味方で良かったって心底思うよ…。」
「確実に一番タチ悪いよな…。」
『…。』
ー…ガチャ…
「みなさんお久しぶりです!!お邪魔します!」
「おお、武蔵!!」
久しぶりに事務所に訪れた武蔵は背筋がピンと伸び、一回り大きくなったようだった。
「どうなった?学校は。」
「はい、あれからいじめていた奴らはみんな泣いて謝りに来て、一緒に来てた親父さんにボコボコにされてました…。でもそっからは学校でも普通に喋るようになって…もう…もう大丈夫です…!!」
「そっか…そりゃ良かったな…。」
「あとは小次郎がまっとうな人間になって、もう新しい場所でもいじめなんてしないでくれるといいんだけど…。」
そう言って小次郎の事を気にする武蔵に、孝之助は目を泳がせながら答えた。
「それは…うん、もう大丈夫らしいぞ。」
「へ?」
「まあ、それはそうと…また困った事があったらいつでも言えよ?俺達はずっとお前の味方だからな!」
孝之助の言葉を聞いた武蔵は嬉しそうに笑って頷いた。
「ありがとうございます…!!でも…次に何か起こったら…自分でなんとかしてみせます!!僕も皆さんみたいになりたいから…!!」
「武蔵…。」
「だから今度は…僕が皆さんを助けますね!!」
「…!!」
真っ直ぐな瞳で笑う武蔵の頭をポンポンと撫でると、孝之助は目頭を押さえながら微笑んだ。
「なんか我が子の成長を見てるようで…嬉し寂しいもんだなぁ…。」
「孝之助さん子供いないでしょ。」
「そうだな…。」
『…武蔵くん武蔵くん!!』
感慨深く武蔵を見つめる孝之助の背後から、佐奈が武蔵に声をかけた。
「佐奈さん!!……え…?梨花ちゃん…!?」
驚く武蔵の視線の先には、武蔵の彼女の梨花の姿があった。
「武蔵くん…ごめんね、勘違いとはいえヒドイ事言って…!!」
「ううん…!!僕の方こそ…迷惑かけてごめんね…!!」
目に一杯涙をためて言う武蔵に、佐奈も梨花も笑顔を見せた。
『じゃあこれで仲直り…だねっ!!』
「はい…!!」
「……まあーた勝手に動いたな、佐奈。」
『女同士の方が話せることも多いと思っただけです。』
そう言ってドヤ顔で笑う佐奈に、孝之助も笑った。
「…お前は意外といい探偵になるのかもな。」
『え?』
『…今何て言いました孝之助さん?孝之助さん!?孝之助さんん~~~!!!!』
「前言撤回っ!!うるせえ!!!!!!」
【03.】スクリプトキディ -END-
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