03.スクリプトキディ
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ー…ポタ…ポタ…
「あ…あ…。」
「南在…さん……うあ…あ…あああああ!!!!!」
「こんなことで…死ぬんじゃない…!!」
武蔵の刀を手で止めた孝之助の手からは血が滴り落ちていた。
孝之助は刀を遠くに放り投げ、震えて動けなくなった武蔵の前に立った。
「なんだー…おっさん…冴嶋和泉の仲間か…?」
ー………………ゾクッッ!!!!!!
「ナメたマネしてくれるじゃねえか…。」
「…!!!!???????」
「和泉、やめろ。」
突如感じた殺気に小次郎が目を横に動かすと、先程の短刀の刃が自分の頬数ミリの位置に構えられていた。
背後から一言そう呟いた和泉は、顔を見ずとも動けなくなるほどの殺気と威圧感で、小次郎はヘナヘナと倒れ込んだ。
「あ~いって!!お前…こんな記事の為に死ぬなよ!!」
「…だ…って…冴嶋さんや…事務所の皆さんに何かあったら…嫌だったんですもん…!!!」
「…そっか……ありがとな…。」
武蔵の言葉に孝之助は少し嬉しそうに笑った。
「…おい若造。和泉の事は事務所皆知ってる。別に今更どこににばらされようと痛くもかゆくもねえんだよ…和泉は社会的に罪も償ったんだからな…だが忘れるな…。」
ー…ガッ…
「貴様は"今"犯罪者だっていうことを…俺がその気になればいつだって刑務所にぶち込めるっていう事を…!!」
「………そ…それなら…武蔵も犯罪者だ…!!!!あいつのパソコンに仕込んだウイルスは時限装置で殺人予告をするようになってる!!もう遅…」
「そのシステムは」
「作動しない。もう、絶対に。」
静かに小次郎を見下ろすヒナを見て、小次郎は自分のパソコンの攻撃を回避したのはこの男だと瞬時に察知した。
「あんまり大人をナメるなよ。」
孝之助はそう言い捨てると、へたりこんでいた武蔵を支え、佐奈らと共に車へと向かった。
「ま…待て‥!!貴様らなんざ…ジジイに言いつけて…!!」
「あのなぁ…。」
諦め悪くあがく小次郎に和泉は呆れたように言った。
「ヒナが言ってたんだが、お前みたいに人の作ったプログラムを使ってしかクラッキング出来ないお子様を"スクリプトキディ"って呼ぶんだってよ。」
「……!?」
「他人のプログラムで悪さしてジジイの作った権力でいじめする、自分一人じゃ何にも出来ないお前にピッタリだな☆」
「…………!!!!!」
「和泉行くぞ!!」
「はーいっ♪」
孝之助らが去った後、小次郎は震えながらその場に崩れ落ちた。
だが、その震える手を取ってくれる"友"の姿は皆、
小次郎を置いて逃げ失せ、
誰一人として、残っていなかったのだった…。