03.スクリプトキディ
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ー…ガンッ!!!!!
「くそ…!!俺を怒らせて…タダで済むと思うなよ…武蔵も…あの冴嶋和泉ってやつも…殺してやる!!!!!」
怒りが収まらない小次郎は一人携帯を片手に仲間に連絡を取っていた。
「何だと…!?」
「いや、だからあの時の男、冴嶋和泉って冴嶋組の奴らしいぜ…やっぱやべー奴だったんだよ。」
「冴嶋組…?それが何で武蔵と繋がってんだよ。」
「何かそいつ探偵やってるらしくて、多分だけどその探偵事務所に武蔵が泣きついたとかじゃ…?なあ…俺達マズイいんじゃねえ…?」
思いもよらなかった事実を知った小次郎は、一瞬間をおいてニッと笑った。
「いや、いい事思い付いた…まとめて地獄に…落としてやる…!!」
....................
あれから数日、
引き続き武蔵の様子を監視していた佐奈はある日の夜、小さな異変に気付いた。
『あの…孝之助さん、ちょっといいですか?』
「お~佐奈、今ちょうどみんな帰ろうと思ってたとこだったんだよ、どした?」
佐奈は帰ろうとしていた孝之助を引き留め、持っていた携帯を手渡した。
『私、盗聴器の受信の切るの忘れてて今気づいたんですけど…これ…。』
「こんな時間に外出…?」
時計の針が午後10時を回ろうとしていた頃、盗聴器に仕込まれたGPSのカーソルが足早に家から遠ざかっていた。
『この先って倉庫街ですよね…何かおかしくないですか…?』
「…取り越し苦労だといが…一応行ってみとくか。」
...................
ー…バンッ
「よお、来たな…武蔵。」
「小次郎…。」
倉庫街の一角、夜も更けると人通りは全くなくなるこの場所に、武蔵は小次郎に呼び出されていた。
「あの話取り下げてよ…。」
「ほお~偉そうな口叩くようになったじゃねえか…そんなに大事か…この冴嶋さんとやらが…。」
「…。」
小次郎はそう言うと、和泉の事を調べプリントアウトした昔の新聞を武蔵の足もとに投げた。
「冴嶋組の次期組長ねえ…しかも調べてみりゃ前科持ち。それが探偵やってるって…事務所とネット、マスコミにバラしたらさぞ面白い事になるだろうなあ…。」
「…あ…あの人達は…見ず知らずの俺を…助けてくれたんだ…あの人達に手を出すな…!!」
武蔵の初めて見せた強い意志に小次郎は少し驚きながらもニヤッと笑った。
「……いいよ。」
「!?」
「お前が落とし前つけてくれたらね。」
「…これ…は?」
そう言って小次郎が指さした先には一本の短刀が置かれていた。
「武蔵と小次郎の決着なんだから古風に切腹してみせてよ。そしたら許してあげる。」
「…小次郎…おい、そりゃちょっとやりすぎなんじゃ…。」
「そうだよ何もそこまでしなくても…」
「てめえらは黙ってろ、別に死んじまったところであの短刀にはあいつの指紋だけ、自殺って処理される。」
「…こ…小次郎…。」
すでに小次郎からは真っ当な人間の判断は伺えず、その狂気を含んだ笑顔に仲間ですら恐怖を覚えていた。
「…絶対に僕が死んだ後も手を出さないって誓ってくれる…?」
「ああ…約束してやるよ。」
小次郎の言葉に武蔵は短刀を手に取り自分の腹に向けた。
頬には無意識に涙が伝い、今にも短刀が滑り落ちそうなほど震えていた手で、武蔵は短刀を振り下ろした。
「・・・・う…ああああああ!!!」
ー…ザクッ!!!!!!!!!!!!