03.スクリプトキディ
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ー…ギチ…!!
「………!?」
「巌流島でも負けるんだよなあ、小次郎君は。」
「…冴…嶋さん…。」
武蔵に向けられた小次郎のスタンガンは、間一髪間に入った和泉の手で止められていた。
だが小次郎は和泉を見るとコロッと態度を豹変させ、笑顔を見せた。
「見ず知らずの方にお恥ずかしい所を助けて頂き申し訳ありません…。」
「…?」
「彼は少し変わった性癖があって、僕も付き合いで無理矢理させられていて困っていたんです…止めていただけて助かりました…!!」
そう言ってニコッと笑う小次郎に、和泉もニコッと笑った…瞬間だった。
ー…がしっ
「いたたたたたた!!!!なっ…離せっ!!お…下ろせ…!!!」
「脳ミソが腐ってるようだなー何言ってるかわかんねぇわ。」
和泉は小次郎の頭を両手でつかみ、ギリギリと力を入れながら持ち上げた。
「離せっ…離して…!!」
「了解。」
ー…バキッ!!!!!!!!
和泉はそう言うと、小次郎を床にたたきつけるように手を離した。
あまりの衝撃に、小次郎は頭を抑えて悶絶すると、周囲にいた少年らが慌てて小次郎に駆け寄った。
「痛えぇぇぇ!!!!!!」
「…小次郎!!大丈夫か…!?」
「小次郎に手ぇ出して…おっさん終わりだな…!!」
「おっさんってゆーな。終わりって、何が終わりなのよ?」
小次郎の取り巻きの男たちが和泉にかみついていると小次郎が和泉を睨みつけた。
「まじあり得ねえ…俺と繋がりのあるヤクザにお前の事殺すよう伝えるわ…絶対にお前消してやるからな…!!」
「・・・。」
「何だ?今更後悔しても遅いっつー…」
「あのなあ。」
「お前みたいなガキの報復に手を貸すほどヤクザも暇じゃねーよ。アホらし…。」
和泉はそう言ってため息をつくと、哀れそうな目で小次郎を見下ろした。
「ほざいてろ!!後で本当だったって泣けばいい…」
「まあ」
「本当にお前ごときに手を貸すバカなヤクザがいたとして…」
「…!?」
「ちゃんと伝えろよ?相手が冴嶋和泉だって。あはは!!」
和泉はそう言うと、呆気にとられた小次郎達の前から立ち去り、武蔵にもさりげなく逃げるように促した。
..........................
「武蔵ほら早く服着ろ、で…ちゃんと録れたか?佐奈。」
武蔵を車に乗せた和泉は佐奈が回していたビデオを確認した。
『はいっ!!もうバッチリおさえました!!和泉さんの有志もバッチリ!!』
「………ちょ!!お前俺のとこまで録らなくていんだよ!!消せこの動画!!」
『ええ!?何でですか!??和泉さんが相手に制裁を加えるところなんて映画みたいでかっこ良かったですよ!!ねえ武蔵君!!』
「はい!!僕もヒーローに見えました…!!」
「んな事どーでもいいんだよ…手え出すなって言われてんのにコレばれたら俺間違いなく来月の給料全額カットだよ!!録り直しだ!!武蔵もっかいやられてこい!!」
「ええええええ!?嫌ですよおおお!!」
ー…ひょい
「…え?」
「和泉一ヶ月タダ働き決定。」
もめる三人の横からビデオカメラを取り上げたのはニコッと笑う孝之助だった。
「ぎゃあああああああおっさん何でこんなとこに!!?」
「電話しても出ねえんだもんお前ら。ったく…手ぇ出すな姿出すなって何度言ったら分かるんだ和泉!!!!!」
『でもほら…武蔵君が危なかったのは事実ですし…あ、相手の確認と証拠は押さえました!!盗聴器での録音も出来てますし…。』
「そうです…!!冴嶋さんは僕を助けてくれただけで…!!」
必死に和泉をかばう二人に根負けし、孝之助はフッと笑った。
「…まあいいや、ヒナが用があるってだから武蔵君、一旦一緒に事務所戻ろうか。」
「は…はいっ!!」
そうして武蔵を車に乗せ車を出そうとした瞬間、佐奈は窓の外の何かに気付き声を上げた。
『……あっ!!!!あ…あの…ちょっと忘れ物したので先に戻っておいてください!!』
「…?すぐ戻れよ~?」
『すぐ戻ります!!』
そう言うと佐奈は足早に車から離れ、雑踏の中に佇む少女に声をかけた。
『…ハア…ハア…あの…!!梨花ちゃん…ですよね‥?』
「……お姉さん…誰…?」
「武蔵君の事で…ちょっといいかな…?」
「え…?」