第二十三話 最期の決断
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(津島さんの足を止める為の細工だったけど…まさかこうなるとはね…。)
燃える炎を見ながら総助はその場に座り込んでいた。
総助の身体はとうに限界を超えていて
両方の足は痛みさえ感じず、もうほとんど言うことを聞かなかった。
(みんな…どうか…無事で…。)
そして総助は燃え広がる炎の中、
仲間の無事だけを祈り続けた。
........................
「ハァ…ハァ…これ…は…?」
一と桜が戦場に辿り着いた時には
すでにあたりは沢山の倒れた人々と炎で埋め尽くされていた。
(総助達と津島が戦ったにしちゃあ人数が多すぎやしねえか…?)
一が状況を把握できないでいると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「一さん!?桜さんまで!!」
「小忠太…これは一体…!?」
「幕府軍が津島さんの進軍に気付いて現れたみたいなんス…総助さん達は…そのまま戦いに巻き込まれた形になったみたいッス…。」
「…!!!で…総助は!??」
「考えがあるって…みんなを撤退させて一人残ったんです。でも総助さん怪我してたし…俺…心配んなって…!!!!この火は…多分総助さんが…!!!」
「…!!!!!」
それを聞いた一は桜を小忠太に頼み、炎の中に飛び込んだ。
「一さん!!」『高砂さん!!!!』
(あいつが一人で行動する時は…いっつも馬鹿なことしかしねぇ…!!!!)
「総助ー!!!どこだ!??」
―…ザッ…ガキィン!!!!!!!
炎に取り囲まれた中、幕府軍と思われる兵を数人なぎ倒し、一は風上を目指した。
(あいつが火を着けたのなら確実に風上…待ってろ!!総助…!!!!!!)
幾人もの兵を刀一本、着流し姿で薙ぎ倒し、
辿り着いた先には燃えさかる一件の古い小屋があった。
「ゴホッ…あ…そこか…。」
咳き込む度流れる血を抑え、一は小屋へと急いだ。
「総助!?総助いないか!?」
完全に火が回った小屋周辺は、煙と瓦礫で埋め尽くされていた。
「くそっ…!!煙が…」
煙を掻き分けて、そこで一が見たものは
大切な人の
変わり果てた姿だった。
「そう…すけ…?」