第十四話 灯篭流し
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一が屋敷に戻ると、もう辺りは暗くなっていた。
『あ、高砂さん…おかえりなさい…。』
「……。」
挨拶をしてそそくさと去っていく桜を見て、一は桜の腕をつかんだ。
「ちょっと来い。」
『え…?』
一は桜の手を引くと、屋敷の裏庭まで連れて行った。
『ど…どうしたんですか…?』
「……吉原とか行ってねぇからな!!あと…吉原に好きな奴なんていない!!!!」
『へ…??』
不思議そうにする桜をよそに、一はそれだけ言ってそっぽを向いたまま縁側に座った。
「………。」
『………?』
沈黙が続く。
普段飄々と喋り続ける一なだけに、珍しい事だった。そして少し経って、やっと一が口を開いた。
「手ぇだせ。」
『へ…?手…ですか?』
不思議そうに桜が手を出すと、一が桜の手に小さな円いものを置いた。
「やる。」
『え…これ…』
「指…輪って言う西洋の…飾りなんだと…西洋では…男が…ゴニョゴニョ……な女に…やる…って…涛次郎から聞いて…………えーと…いらないなら返せ!!」
『……。』
軽くテンパっているのか、あげたくせに返せと訳の分からない事を言う一に対して桜は何も言わなかった。
「桜…?」
恐る恐る桜を見ると、顔を赤くして、呆然としていた。
『わ…私がもらって…いいんですか…?』
「かせ。」
『え…?』
一は指輪を取り、桜の手にはめた。
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『…!!』
「いいから付けてろ。」
『ありがとうございます…!!こんな素敵なもの…私…大切にします…!!』
##IMGR592##
「……!!」