第七話 長州へ
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「長州へ…ですか?」
慌ただしく準備をする二人に突然の帰郷の話を聞き、桜は一人突然のことに驚いた。
「一のせいでね。本当とんだヤボ用だよ。」
「なんだよ、俺は軍艦買っただけだろー!!」
「それが悪いんでしょ。」
旅路の準備をしながらもギャーギャーと言い争う二人を見ながら、桜は寂しそうに言った。
『寂しくなりますね…。二人がいなくなるなんて…。』
「へ?」
「何言ってんだお前。」
桜の言葉を聞いて、一と総助はキョトンとした顔で答えた。
「桜、お前も一緒に行くんだぞ?」
『え…?』
「今さら桜さん一人置いていったりしませんよ。仲間でしょう?」
「京とは違ってなんも無い所だからつまんねーかもしれねぇけどな。」
予想外の二人の言葉に、桜はじわりと滲む涙を飲み込んだ。
知り合いのいないこの街にまたひとり残されるかもしれないと心底心細かった桜は、その言葉が涙が出そうなくらいに嬉しかったのだ。
「ほら早く準備しろよ。置いてくぞ。」
『はいっっ!!!』
そう言うと、桜は嬉しそうに返事をし、準備に向かった。
.....................
それから京を出て長州に向かった四人は、早速船着き場に到着していた。
ー…ザザーン…
『わあ…!!大きい船…!』
##IMGR561##
「この船に乗れば30日くらいで長州に着きますよ。」
『さ…30日…?!』
(現代なら数時間で着くところなのに…)
早速三人は船に乗り込もうとしているなか、どうも一人、一だけ浮かない顔をしていることに桜が気付いた。
『た…高砂さん…どうしたんですか…?』
「一はね、すごい船酔いするから船嫌いなんだよ。」
「そういえば船酔いが嫌で航海術の勉強挫折していたな。」
「ほっとけ!!!」
『…。』
一の弱点らしい弱点など今まで見たことなかった桜は、なんだか一が急にかわいく見えて、思わず笑ってしまった。
「桜!!お前なに笑ってやがる!!」
『いえ、なんか可愛らしいなと…。』
「うるせーよ!!」
こうして和やかな雰囲気で、長州への船は出航した。
航海は30日、長い長い船旅の始まりだった。
【第七話】長州へ -END-