【続サクラ花火 其ノ十四】守るための戦
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ー…ドサッ…
「…?」
一が目を開けると、背後から一を撃とうとしていた敵兵は地に伏していた。
「なんだ…?どっから…」
敵兵に撃ちこまれた銃弾の方向を見上げると、そこには神峰隊を率いた佐竹の姿があった。
「佐竹…。」
佐竹は一を確認するとすぐに銃口の方向を変え、幕府軍へと銃撃を開始した。
......................
「高砂隊長!!」
「お前ら…また命令無視して戻って来やがったな…。」
「あはは…すみません…。」
一の安否を心配した隊の者たちは、田沼の家のすぐそばまで戻って来ていた。
「千代、ほらよ。」
「チ…チビ!!!!」
一が懐に抱えていたチビを千代に渡すと、千代は泣きじゃくりながらチビを抱きしめた。
「チビ…良かった…!!お兄ちゃん…本当に…本当にありがとう…!!」
千代の言葉に一はニッ笑うと、すぐに戦闘態勢を取るよう全員に指示を出した。
「無様だな、高砂一。」
「!!佐竹…。」
声のする方を振り返ると、そこには佐竹が一人立っていた。
「"そんなもの"の為に隊長自ら命を懸けるなど、貴様は戦争を甘く見すぎている。さっきも我々が助けなかったら貴様は死んでいただろう。」
「…。」
「戦が起これば兵も民も命を落とすのは当然の事。そんな事も覚悟出来ていないようなら戦になど参加するな、目障りだ。」
「なんだと貴様…!!」
「止めとけ。」
「高砂隊長…。」
佐竹の言葉に怒りを抑えられなくなった仲間を抑えると、それまで黙って佐竹の話を聞いていた一が口を開いた。
「助けてくれたことには礼を言う。お前の言ってることも正しい…だがな…。」
「…?」
「俺はてめえの言う"そんなもの"を守りに戦に来たんだ!!人を殺すためでもねえ…人を守る為に来た!!こんな小せえものも守れねえで…国なんて守れるかこのボケ!!!!!」
―…ジャカッ…パンッ!!!!
「…!?」
一は佐竹に怒鳴り終わった瞬間、懐に持っていた銃で佐竹の背後に向けて発砲した。
![image](http://id54.fm-p.jp/data/369/ruru04251117/pri/218.jpg)
そこには佐竹を背後から撃とうと狙っていた幕府軍の兵が倒れていた。
![image](http://id54.fm-p.jp/data/369/ruru04251117/pri/219.jpg)
「これで借りは返したからな。」
一がそう言って笑うと、佐竹は少し驚きながら一を見た。
「……よし!!一気にカタをつけるぞ。戦術はいつも通り、ぬかるなよ!!」
「…神峰隊はその援護に回れ。一人足りとも欠けることなく…勝つぞ。」
「佐竹…。」
「なんだ?何か違ったか?」
「いいや!!上等だ!!!!」
「行くぞ!!!!!」
![image](http://id54.fm-p.jp/data/369/ruru04251117/pri/220.jpg)
それから一の隊と佐竹率いる神峰隊両隊の活躍で、あっという間に幕府軍は白旗を揚げた。
紀州藩の諸隊を破ったこの戦は他藩からも評価され、
結果倒幕に大きく前進することとなった…。