【続サクラ花火 其ノ十一】分かって欲しい気持ち
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「お気をつけて帰ってくださいね。」
「本当は侑ちゃんに送って貰いたいとこだけど今日は我慢しようかね。」
「由美さん俺の車乗るの大変だから嫌だって言ってたじゃないですか。」
「侑ちゃんの車バカみたいに大きいもんねぇ~アハハハ!!」
おばあさんはあっけらかんと笑うと、桜に向かってニッコリ笑った。
「この子の周りじじばばばっかだから婚期逃しそうで心配しとったんよ、侑ちゃんを宜しくね、桜ちゃん。」
『え…?あ、はい!!はい…?』
おばあさんはそう言うと二人に手を振り、お孫さんの車に乗って帰っていった。
―…ブロロロ……
「俺の恋人が来るとでも思ってたでしょ。」
『えっ!?なんで知って…』
慌てる桜に侑はいたずらっぽく笑いながら言った。
「少しはやきもちやく方の気持ち分かってくれました?」
『なっ…え…?!まさか…わ…わざと…』
「あ、それと"若い"女の人を車に乗せたのは桜さんが初めてですから。」
『~~~~!!!!!!!!!!』
顔を真っ赤にしながら言葉のでない桜を見ながら侑は楽しそうに笑った。
『なんか侑さんがいじわるです…。』
「あはは。だって俺、前世は総助ですけど血は才原春就直結の血ですからね~。」
『ああ…なんかそう言えば春就さんっぽいです…。』
桜と侑はそう言って笑い合うと、病院の中へ戻っていった。
......................
―…ガラッ
「桜さん…今日はもう全部終わりましたよ~。…あれ?」
―…スー…スー
「寝てる…。」
昨日までの胸のつかえがとれた桜は、昨日の夜の寝不足に急に襲われたようで、机で眠ってしまっていた。
「無防備だなぁ…まったく…。」
侑はそう言うと桜の隣に座った。
「はあ…よっぽど自分に自信がないのか…鈍感なのか…。」
ため息をつくと、侑は眠っている桜の髪を撫でた。
「何百年前から好きだと思ってるんですか…今更違う人なんて…好きになりませんよ。」
侑はそう言うと、眠っている桜に優しくキスをした。
あなたを失うのが怖くて本当の気持ちはまだ言えそうもないけれど
それでもいつか、あなたに…
「大好きですよ…桜さん…。」
春の日差しが温かい昼下がり
同じ頃、侑に少しばかりのリードを許した親瑛は
そんな事とも知らず、一人寺の本堂で
のんびり昼寝していたのでした。
分かって欲しい気持ち -END-