【続サクラ花火 其ノ十一】分かって欲しい気持ち
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「遅ぇ。」
玄関に仁王立ちで立つ親瑛に侑が睨みながら言った。
「こっちはお前みたいな暇人と違って忙しいんです。ったく邪魔なんだから」
「お前ぇに聞いてねえわ!!このヤブ医者!!なに勝手に上がってんだ家に帰れ家に!!」
「親瑛に桜さんとのデート邪魔されたからご飯ご馳走になることになったの、はいどいて邪魔。」
「なんだと!?おいコラ勝手にチャンネル変えんなっ!!」
『はは…。』
ギャーギャー言い争う二人を見送ると、桜は一人台所で夕食の準備に取り掛かった。
.......................
―…パタン
食事も終わり侑も自宅へ戻った後、桜は一人部屋に籠ってぼんやり考え込んでいた。
(さっきからずっと胸のもやもやが無くならない…参ったなあ…。)
ずっと考えていた
”高砂さん”と”総助さん”が私を好きだと言ってくれたこと
でも…記憶があるからと言っても二人は”親瑛さん”と”侑さん”で、高砂さんと総助さんじゃない。
”好き”だなんて…言われてない。
侑さんが他の女の子の手を引いて車に乗せたのかなって思ったら
今更こんな…胸が痛くなって…
当たり前なのに…侑さんは…侑さんとして生きてきたんだから。
『私…嫌な奴だ…いつのまにか…ずっと彼女気取りだったんだ…。』
桜は頭をぐしゃぐしゃとかくと、布団に横になった。
だからって二人供が大切だなんて思ってる私が…
『そんなずるい私が出来ることなんて…何にも…無いよ…。』
ぼんやりと光る月を見ながら、
桜は自分の中に芽生えた感情に戸惑いを隠せないまま眠りについた。