―…コンッ
「痛っ…!!」
「やーい!!貧乏人!!汚ぇなぁ!!」
「あはははははバーカ!!!」
「……。」
ぶつけられた石を前に何も言えずに立ちすくんだ。
本当のことだから何も言い返せない。
貧乏で汚くて頭も悪くて。
どれだけ働いたって改善することのない生活、汚い着物。
馬鹿にされるのも石を投げられるのも慣れっこだった。
でも……
「情けないなぁ…。」
![image](http://id54.fm-p.jp/data/369/ruru04251117/pri/109.jpg)
額からにじむ血をぬぐうふりをして、込み上げる涙を拭いた。
この道の隅で泣いている少年が日本の内閣総理大臣になるなど
この長州、いや日本中の誰もが、夢にも思わなかった…。