第二話 この時代
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総助が話す内容を、桜は必死に理解しようと耳を傾けていた。
自分達は長州藩の出身で、幕府の敵、賊軍とされている事。
そのせいで沢山の仲間が死んでいった事。
そして外国から日本を守るために幕府を倒そうとしている事。
そのせいで、こうして追われる身となってしまった事…。
『……。』
平和な未来の日本に世界に身を置く桜にはとうてい理解できない時代だった。
しかし、その平和な時代はこの人達が命をかけてつくったものだった。
そんな平和な時代に生まれたのに、ちっぽけな理由で人生を終わらせようとした自分。
桜はそんな自分が情けなくて情けなくて、心底自分自身が恥ずかしくなった。
『あの…私も…私も協力させて下さい!!なんの力にもなれないかもしれないけど…私にも…平和な時代をつくる手伝いをさせて下さい!!』
「…遊びじゃねぇんだぞ。」
『もちろんです。覚悟の上です。』
「……。」
先程とは打って変わって真剣な桜の目を見てその必死さに負けた一は、桜の頭をポンと叩き部屋を後にした。
この時桜は一人秘かに決意をしていたのだ。
一度捨てた命ならば、最後にこの二人の行く末を見守りたいと、
微力かもしれないけれど、この日本という国を守ろうとその身を捧げるこの若者達の力になろうと。
そうして未来の少女を巻き込み
後に幕末と呼ばれるその時代は、ゆっくりと針を進めようとしていたのだった…。
【第二話】この時代 -END-