第二十六話 告白
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―…バンッ!!!
『わっ!!た…高砂さん!?』
「桜…。」
勢いよく襖を開けると、目の前には桜が立っていた。
『あ…どこか行かれますか…?春就さんが急用で数日家を空けるそうなので、お薬預かってきました。部屋に置いておきますね。』
「ああ…そうか…悪い…。」
突然現れた桜に動揺を隠せない一は、
部屋に薬を置きに入る桜をただ黙って見ていた。
『じゃあ私はこれで…。』
そう少し笑って一の部屋を出ようとした桜の腕を掴み、一は襖を閉めた。
『…高砂さん?』
「………行くな。」
驚く桜に一は小さな声でそう言うと、桜を引き寄せ、抱きしめた。
『た…高砂さん…』
「……。」
そして桜の温もりを確かめるように、きつく抱き締めると、桜の肩に顔をうずめた。
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「好きだ…桜…!!」
『…!!』
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「…こんな体で…まして総助を失ったばかりで言う事じゃないかもしれねぇ…でも俺は…やっぱりお前を誰にも渡したくねぇ…!!!」
『……。』
「お前の気持ち…聞かせてくれ…頼む……。」
黙って一の言葉を聞いていた桜は、震える一の手を握りしめながら言った。
『ごめん…なさい…!!』
桜は込み上げる涙を堪えながら話始めた。
『私はずっと…高砂さんが好きでした…。』
「桜…。」
『でも…総助さんが私を好きだと言ってくれた時、嬉しかった…優柔不断で最低ですよね…でも本当に…選ぶことなんて出来ないくらい二人とも大切だったんです…。
でも…私がそんなどっちつかずなまま、総助さんは全てを守って死んでしまった…。』
「……。」
『だから私にはもう…今更高砂さんを好きだなんて言う資格…無いんです…!!!』
涙を流しながら桜は言った。
一だけではなく、桜もまた、悩んで悩んで身動きがとれなくなっていたのだった。
そんな桜に一は、優しい口調で言った。
「総助はもういねえから…もう勝負にはならねえ…。お前にどっちか選んで貰うのは、次に3人で出会った時に持ち越しだ…!!
その時は桜…きっちりどっちか選んでくれよ…。」
『高砂さん…。』
「だからこっからは俺の勝手な頼みだ。俺のあと少しの残りの人生…お前と過ごさせてくんねぇか…?」
『…!!!』
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「そう長くは…かからねぇからよ…。」
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そう言って一は桜の頬に手をやり、涙をぬぐいながら笑った。
『高砂…さん!!!!!!』
そして二人はきつく抱き合った。
『死なないで…!!!高砂さん……!!お願い…!!!』
「つ…!!桜っ…!!」
もう日が落ちて、うす暗い部屋の中
一は桜にキスをして、桜の着物の帯に手をかけた。
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