02.夢のある浮気調査
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『えーっと調査対象は川崎洋一さん、32才会社員。先週金曜日にこのマンションで女性と目撃されてます。』
「もうベタな浮気じゃねーか。さっさと写真押さえて帰ろうぜ~。」
『そんな事ないですっ!!頑張りましょう和泉さん!!』
「もー!!面倒くせえわ!!佐奈マンション行って誘惑して来い。」
『なっ…なんですかそれっ!!』
「アハハハ!!!」
和泉とそんな他愛のない話をしながら車で張り込むこと2時間、薄暗くなった車内で和泉が一人の男性を指差した。
「おい、あいつじゃねーのか?」
『本当です…!!』
二人が見つめる先には、先週目撃されたのと全く同じ時間同じマンションに向かう依頼人の夫の姿があった。
『マンション入っちゃいました!どうしよう…見えなくなりました!!!!』
あわてふためく佐奈とは対照的に、和泉は黙ってじっと目を凝らした。
「落ち着けよ、こっち側からマンションの全部の部屋の玄関見えっから…あ、ほら503号室の前。」
『503…!?よ…よく見えますね…和泉さん目、物凄くいいんですね。』
そう言って目を凝らす佐奈の言葉に、少し間を置いて和泉が答えた。
「見えてないと死んじまう所にいたからな。」
『…!!』
詳しくは知らないけれど、和泉は任侠の世界から逃げる為に戦場に行ったと聞いた。
和泉のその言葉は、普通に生きていた人間から出る言葉ではなく、
今まで気にも留めなかった和泉の顔の傷が、やけに痛々しく思えてならなかった。
「…佐奈!!カメラカメラ!!」
『……え?あ…はいっ!!』
和泉の声にハッと我に返った佐奈は慌てて和泉にカメラを渡した。
ー…カシャ カシャ…
「はいアウト~。」
『う…うそおおおおおお…!!!!!』
和泉から渡されたカメラに映っていたのは、女の人が出迎えるマンションに笑顔で入って行く男の姿だった。
『そんな…男って…ヒドイ…。』
がっくりと落ち込む佐奈の肩をポンポンと叩き、和泉はケタケタと笑った。
「現実なんてこんなもんだぞ佐奈ちゃん♪後は相手の女の素性調べるだけだ!!さー帰ろ帰ろ。」
『…私はもうちょっと旦那さんが出てくるまで確認します…納得いきません。』
「ははっ!!じゃあ見つかるんじゃねーぞー♪」
そう言って佐奈に手を振る和泉を見送りながら、佐奈は一人物思いにふけりながら男の入ったマンションを見上げていた。