11.正義の詐欺師
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「いやあ~にしてもあの鷲谷の顔、めちゃくちゃ面白かったよな~!!!」
依頼を無事解決し九条と談笑していた和泉はケラケラと笑い声をあげた。
「まったく…何もホンモノ(高虎さん)まで駆り出す事無かったのに…ちゃんとお礼言っといてよ、和泉。」
「いーんだよ、たまたま一緒にいたから連れてっただけなんだから。」
楽しそうに話す二人の奥で、佐奈が九条に応接室から手を振った。
『あの、九条さん!!ちょっといいですか?』
「…?………!!」
手を振った佐奈の所に九条が近づくと、そこには明らかに緊張しきった小春が立っていた。
『ではお二人とも、ごゆっくり!!』
「「………。」」
そう言うと、佐奈は強引に九条と小春を応接室に押し込み扉を閉めた。
佐奈の行動にハアと溜め息をついた九条だったがその顔はどこか穏やかで、
小春に座るようにと促すと、自分も小春の正面の椅子に腰を下ろした。
「…あ…あの…私……」
「…今度…」
「…え?」
「墓参りに行きましょうか…一緒に…。」
「……………………!!……はいっ!!」
.............................................................
ー…バタン
『ハイっ!!これ、お約束のお仕事の報酬です!!!!』
九条との話を終えた小春を見送った佐奈は、この上ないドヤ顔で20万の入った封筒を差し出した。
「…いりませんよ、そんな新社会人のなけなしの全財産。」
『そうはいきません!!お約束して、九条さんが約束を守ってくれた以上貰って頂かないと!!!』
「…。」
無理やり九条の手に封筒を持たせようとする佐奈に九条はスッと手をかけると、そのまま佐奈を抱き寄せ耳元で呟いた。
「じゃあ今度そのお金で温泉にでも行きましょうか。ヒナには出来ないような気持ちいいこと…してあげますよ?」
『へ………っ?!!』
顔を真っ赤にして硬直する佐奈を見て九条はクスっと笑うと、佐奈に封筒を持たせ応接室を後にした。
『くっ…九条さん待っ…!!』
「おわ!!びっくりした!!何、お前顔なんかトマトみてぇだけど!!」
『ト…トマトって失礼な!!!!』
応接室から出て激突しトマトだトマトだと言い争う佐奈と孝之助を、九条は呆れたような目で見た。
信じてる信じてるってうるさい、よく似たこの二人。
まるでトイレの"綺麗に使ってくれてありがとうございます"という恩着せがましい貼り紙のように鬱陶しい。
でもこの信じる信じる詐欺のような二人に
私はもう少し…騙されていたくなってしまったようです…。
「二人とも本当によく似てますよ…。」
「え!?俺もトマトみてぇって事?!うそ!?」
『トマトじゃありませんから!!!!!!!!』
「バカですねえ。」
【11.】正義の詐欺師 -END-
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