01.難有り探偵社
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ー…コンコン…
『失礼します…。』
佐奈が部屋のドアを開けると、薄暗くて殺風景な部屋に数台のパソコン画面がぼんやりと浮かび上がっていた。
(誰もいない…?)
「何。」
『!!』
ー…バッ!!!!!
突然ドアの影から聞こえた声に佐奈が驚き振り返ると、目の前には背の高い男が立っていた。
佐奈を見下ろす男の目はまるで感情の無い機械のようで、佐奈は思わず息をのんだ。
『あの…今日から入社しました橘佐奈です!!あの、ヒナさんは…?』
ー…バタン…
『…え?』
佐奈が顔を上げると、男は佐奈の話に答える事も無く扉を閉めた。
『…え?あの…えっと‥?』
状況がよく分からずもう一度開けていいか悩む佐奈に、孝之助が不思議そうな顔を浮かべながら近づいた。
「あれ?ヒナいなかった?」
『えー…と…背の高い男の人に閉め出されました…?』
「も~あいつは…ヒーナっ!!新しく入った子に自己紹介ぐらいしろって。」
『ヒナ…?』
孝之助が扉の向こうに呼びかけると、先程の男が無表情でガチャリと扉を開けた。
「…朝比奈了(アサヒナリョウ)。」
ー…バタン。
「『・・・。』」
「…よろしくね☆だって。」
『…。』
「…無理があるか。」
『あの…ヒナさんって今の…?』
「そうだよ、朝比奈だからヒナ。これでうちのメンバー全員紹介終わりっ!!じゃあ行こっか、佐奈ちゃん♪」
そう言って佐奈の肩をポンと叩き笑う孝之助に、佐奈はひきつった笑顔で笑い返した。
(男だった…しかも何あの人…何この事務所……。)
(…………………でも……。)
『やっと雇って貰えたんだ…頑張らないと…!!』
やっとの思いで決まった就職先の奇特な同僚達。
どっと押し寄せる不安と疲れを吹き飛ばそうと大きく深呼吸すると、佐奈は覚悟を決めて孝之助の元に向かった。