04.寝癖と女心
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『ここの大学ですよね…ええっと調査対象は遠藤咲さん…19歳。』
対象者の大学の入り口近くに車を止めた佐奈達は、この時間に下校するという情報を元に対象者の女性を探した。
『…あ!!あの子じゃないですか!?あ…あれ…?』
「…。」
佐奈達が見つけた調査対象の女の子は、校門を出るやいなや
校門脇に止めてあった見るからにガラの悪そうな黒塗りの車へと乗り込んでいった。
「…車出して。」
『は…はいっ!!』
バタバタと車のエンジンをかけ、ある程度の距離を保ちながら、佐奈達は黒塗りの車の後を追った。
日も落ち帰宅渋滞に巻き込まれながらも追跡を続けると、車は独特の静けさのあるラブホテル街へと入って行った。
ー…ブロロロロロ
『あ…あのう…ヒナさん…ここは…。』
「…。」
相変わらず必要以上の返答をしないヒナに戸惑いながらも、佐奈はホテル街で車を走らせた。
そして数分ホテル街を走った後、対象者の乗った車は一軒のラブホテルへと消えていった。
『・・・は…入っちゃいました…。』
「入って。」
『ええ!?だってここ、ヒナさんラブホ……』
「早く、見失う。」
(カップルしか入れない所ってこういうこと~~~!!!!???)
心の中で絶叫する佐奈とは対照的に表情一つ変えないヒナを見て、佐奈は意を決したようにホテルの駐車場へと車を進めた。
『大学帰りでそのままホテル直行なんて…最近の大学生は…まったく…。』
「追うから早く降りて。」
『え…?ええええええ!?ってここで出てくるの待つんじゃないんですか!????』
「早く。」
『・・・・・!!』
佐奈はゴクリと唾を飲み込むと、仕事だ…と何度も自分に言い聞かせながら車を降りた。
社会人とはいえこういう場所には縁がなかった佐奈は、辺りをチラチラ伺いながらヒナの背後に続いた。
「…不自然。恋人同士らしくして。」
『え?あ…はいっ!!』
ヒナはそう言うと、佐奈と共に対象者の入って行ったホテルの入口へと歩き始めた。
(恋人同士らしくって……腕とか組んだ方がいいんだよね…。)
佐奈が恐る恐る前を歩くヒナの腕に手を回すと、
ヒナは表情こそ変えなかったが、少し歩幅を落とし佐奈と並んで歩き始めた。
(本当に背…高いなあ…。)
佐奈の目線はヒナの肩よりも少し下、頭一つ分以上背の高いヒナを佐奈はチラリと見上げた。
(やっぱりここまで高いとキスする時だいぶかがまないといけないよね…………って私何考えてんの!?仕事仕事仕事ーーーっっっ!!!!)
「…?」
『何でもありません!!!!』
「…何も言ってない。」
いつもより妙に早く脈打つ心臓の音がヒナに聞こえてしまいそうで、
佐奈は顔を赤らめながら足早に対象の後を追った。