04.寝癖と女心
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
事務所に着くと孝之助はヒナと佐奈を並べて次の依頼内容について説明を始めた。
「次の依頼内容は女子大生の素行調査。」
「はいはいはいはい!!俺やるっ!!!!!!」
「はい却下~和泉、引っ込んでなさい。」
勢いよく立候補した和泉をズルズルと九条が引き戻すと、仕切り直して孝之助は続きの説明を進めた。
「依頼人は調査対象の両親。娘の様子が最近おかしくて何が起こっているか調べて欲しいとの事。」
『娘さんを探偵を使ってって…直接話せないんですか…?』
「話せないから探偵に頼んできてるんだろうよ。まあ…放置する親よりせめてもマシだと思え。」
「……。」
世間には家族ともいえどもどうしても意思の疎通が難しい家庭もある。
だが比較的幸せな家庭で育った佐奈からすると、どうしても首を傾げたくなる事実でもあった。
「様子がおかしいってのも、考えたくねえが薬とかヤバいもんに足をつっこんでんなら早いとこ判明しないと取り返しがつかなくなる。なるべく会話、取引も抑えろ。」
「…はい。」
「それと女しか入れない場所に入られると俺らじゃまかれちまうからな、佐奈、頼むぞ。」
『は…はいっ!!』
初めて任された重要な役割に、佐奈は嬉しそうに返事をした。
「ヒナは佐奈のフォローは勿論、対象者は男と一緒にいるのをよく目撃されてる。カップルじゃないと入れない所もあるから、常に一緒に行動してくれ。」
「分かりました…。」
『?』
(…カップルじゃないと入れない所…?)
「あと…対象者と一緒にいるって男、あまりいい噂を聞かない男らしくてな、追尾を警戒している可能性もある。いつも以上に注意して絶対に気付かれるんじゃねえぞ。服も普通な感じのに着替えて行動しろ。」
『…はい!!』
「はい。」
孝之助の言った事が少し気になりながらも、佐奈は初めてもらった大切な役割にキュッと身を引き締めた。
...............................................
ー…ドサッツ…
「いいなああ~…女子大生。」
羨ましそうにデスクでふてくされる和泉は、脱力したように机に突っ伏した。
「はいはい仕事に私情を挟まない。和泉は浮気調査のおっさんの所にいっておいで。」
「ううう…なんで俺ばっかりハゲ親父のセクハラを四六時中見なきゃなんねーんだよおお…。夢に出てきそうなんだよあのテカテカ…。」
嫌がる和泉を無理やり仕事に向かわせる九条の前で、ふと疑問に思ったことを佐奈が尋ねた。
『そういえば今までってどうしてたんですか?対象が女の人の時とかって…。』
ー…ピタッ
佐奈の何気ない質問に九条が動きを止めたかと思うと、冷たい笑顔で佐奈に笑いかけた。
「佐奈さんが気にするような事じゃないですよ、早く準備して仕事に向かって下さい。」
「コイツが女装して入ってたんだよ。」
『・・・え!?』
予想外の和泉の答えに佐奈が驚きを隠せないでいると、和泉がゲラゲラ笑いながら続けた。
「めっちゃ笑えたよな~!!そこいらの女より妙に女っぽいっつーかあははははは!!佐奈にも見せてやりたかったな~あ、写メないかな。」
「ヒナ………和泉のパソコンのゲームデータ全部消去して。」
「了解。」
「だああああ待て待て待てやめていやあああヤメテーーーーー!!!」
「ああああもうお前らさっさと仕事いけ!!!!」
『は…はははは……』
かくして佐奈は女子大生の素行調査に、
初めてヒナと共に出掛けることとなったのであった。