01.難有り探偵社
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「うち、興信所なんだけど、やることとかだいたい分かる?」
『えっと…探偵事務所ってことですよね?コナンならずっと見てまし…』
「…来ないから、殺人事件の解決依頼とか来ないから。」
目を輝かせる佐奈に孝之助が鋭くツッコミを入れていると、入り口のドアが勢いよく開いた。
「だああああああっちー!!おっさん戻ったぞ~見てよコレ~♪」
扉を開けて入ってきたのは、ジャージ姿で小柄ながらもガタイのいい若い男だった。
男は意気揚々と孝之助に近づくと、懐から何やらずっしりと重みのある黒い塊を取り出した。
「お~和泉、丁度いい所に…」
ー…ゴトッ…
「………和泉…なにこれ。」
『…?!!!!!!!!』
和泉と呼ばれる男が机に置いたのは、およそ普通に日本で生きていく上では決して目にしない、小型の拳銃だった。
「俺に絡んできた奴等が持っててさ、どーせあのクソジジイの組が横流ししたんだろうから没収してきてやったぜ!!」
(…クソジジイの組…?)
「い~ず~み~…!!うちが銃刀法違反で捕まるわ!!すぐに返してきなさい!!!!!」
「やだよ面倒くせー。てか何、おっさんの女?」
和泉は佐奈の方をチラリと見ると、ブツブツと文句を言いながら孝之助が答えた。
「新しく入った子だよ、橘佐奈ちゃん。仲良くしてやってな。ったくこの銃どうすっかな…。」
『よ…宜しくお願いします!!』
「おお!!可愛い顔して何やったんだよお前!!ハニートラッパーとか?…にしては色気ねぇな。」
『へっ…?!!!』
そう言うと、和泉はまじまじと佐奈の顔と胸を見た。
「和泉変なこと吹き込まない!!その子は普通に雇った子だから!」
「へえ~めずらしーじゃん!!まいっか、俺は冴嶋和泉(サエジマイズミ)よろしくな♪」
『冴嶋…さん…?』
疑問の残る和泉の言葉をモヤモヤ考え込んでいると、和泉は間髪入れずに佐奈に言った。
「和泉でいーよ、俺この"苗字"大っ嫌いだからさ。」
和泉の言葉に笑顔で頷きながらも佐奈は自分の嫌な予感に確信を持ちつつあった。
"冴嶋"というこの名前、最近頻繁にニュースで耳にする名前だった。
八頭龍会系冴嶋組。
この辺りでは知らない者のいない有名な暴力団だ。
(いや…ほらよくある苗字じゃない、いやよくはないか…?)
でもまさか…ただ同じ苗字なだけに違いない。
クソジジイの組と言ったのはきっと私の聞き間違いだ。
佐奈が必死にそうだと納得しようとしていると、後方から別の男の声が響き、佐奈は振り返った。