02.夢のある浮気調査
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ー…コンコン
『ヒナさん、入りますよ~?』
「…。」
説教から解放された佐奈が部屋に入ると、ヒナは相変わらず振り向きもしないままデスクに座っていた。
『あのこれ、コンビニのおばちゃんから…お礼だそうです。みんなで食べてくれって…。』
佐奈が紙袋を差し出すと、ヒナは少しだけ視線を向けた。
「いらな…」
『一緒に食べましょう!!』
ヒナの答えが分かっていた佐奈は、ヒナの言葉をかき消すように強引にケーキを差し出した。
佐奈の行動に驚いたヒナは、その勢いに負けて差し出されたケーキを受け取った。
『…今日の依頼が解決したの、ヒナさんのお陰なんです。』
「…?」
『ヒナさんが商店街の皆さんを助けていなかったら依頼人ご夫妻も離婚していたかもしれないです…本当にありがとうございます!!』
「…。」
ヒナは、自分にこんなに話しかけてくる佐奈を不思議そうな目で見ながら、持っていたケーキを口に運んだ。
『このケーキ…美味しいですよね!!』
「……………うん。」
ヒナの返事に佐奈は嬉しそうに笑い返した。
私が組むことになったこの人は
無口で無表情で無愛想で、よく無視されるし会話もほとんど成り立たないけど
どうやら根っこの部分は優しいらしい。
『ヒナさん次の仕事は一緒にして下さいね?』
「…。」
『絶対ですよ?』
「…。」
『ヒナさん!!ヒナさん!!ひーなーさんってばーー!!』
「…わかったから。」
それが分かっただけでも、目の前の世界は全く違って見えたんだ。
【02.】夢のある浮気調査 -END-
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