02.夢のある浮気調査
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ー…バンッ!!!!
「だああああもう佐奈どこ行ったんだよ!!なんで俺が報告書作らなきゃいけねーんだよーー!!」
デスクの上の報告書から逃げ出そうとする和泉を孝之助がデスクに引き戻した。
「いっつも九条っちに報告書作ってもらってたツケだ、さっさと作れー。依頼人来ちゃうぞー。」
「俺報告書作る才能が壊滅的なんだってええええええ!!!佐奈早く戻ってこい~!!」
そうして涙目になりながら和泉が報告書を作り上げたのは
依頼人との約束の数分前であった…。
.........................
ー…バタン
「で、えーと今回の調査の報告書です…。残念ですけど例のマンションに旦那が入って行くのを確認しましてー…。」
「そう…でしたか…。」
和泉がぶっきらぼうに置いた写真を遠目に眺めると、依頼人は震えた手で顔を覆い、その場で泣き崩れた。
「ありがとうございます…これでようやく諦めがつきます…」
ー…バンッ!!!!!!!
「!?」
『ちょーっと待ったああああああ!!!!!』
「佐奈…!?」
突如応接室に現れたのは息を切らして駆け込んで来た佐奈だった。
『川崎さん…旦那様は…浮気なんてしていません!!』
「え…?」
「な…何言いだすんだよ佐奈!?」
『旦那様は今日の川崎さんとの結婚記念日の為に…料理教室に通っているだけでした!!!!』
「り…料理教室ううううう!?」
佐奈は驚く和泉を後目に、料理教室での旦那の写真と受講契約書を並べた。
『マンションの一室でやっている料理教室で看板も出してないらしいんです…だから写真を撮る時は気付きませんでした…ご主人…近所のおばさま方にまじって今日の為にケーキ作りの練習…してたそうです。』
「…!!!!!」
『今日の夜…きっと美味しいケーキが食べられますね!!』
そう言って笑う佐奈の笑顔を見た依頼人の瞳からは、ポロポロと喜びの涙が溢れていた。
「ありがとう…ございます…!!」
依頼人はそう言って何度も何度も頭を下げると、
来た時とは全く別人のような笑顔で事務所を後にしたのだった…。
..........................
『夢も希望もある解決、出来ましたよ!!』
この上ないドヤ顔で自慢げに話す佐奈に、孝之助と和泉が渋い顔で立ちふさがった。
「なあー…にが夢も希望もだ…こっちはお前の単独行動のせいで何の意味もない報告書何っ時間も書かせられてたんだぞぉぉ~…!!」
「全くだ!!こんな結末かなりレアなんだからな!それと誰にも伝えずに事務所からいなくなるんじゃありません!!女の子が一人で調査なんて危なすぎる!!だいたい報告書も無しに依頼人に報告しなーーーい!!!!!」
『う…すみません…でもほら…結果オーライで…』
「「いーから反省しなさいっっ!!!!!」」
『はいいいっ!!!申し訳ありませんでしたああ!!!!』
それから佐奈は孝之助にこってりしぼられ、反省文を書かされやっと解放されたのだった…。