02.夢のある浮気調査
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ー…バタン…
『はあ…川崎さんに何て説明しよう…。』
朝になって現実に引き戻された佐奈はまたもため息をつきながら足取り重くコンビニから事務所へ向かった。
(あんな期待させといて今更浮気してましたなんて私は鬼だ…和泉さんの言う通りだった…。)
「お嬢ちゃん!!」
『…ん?』
佐奈が事務所への階段を上ろうとしていると、コンビニの店員のおばさんが佐奈に声をかけた。
「お嬢ちゃん、この探偵事務所の方なのかい?」
『あ、はい!!どうかされましたか?』
佐奈が駆け寄ると、おばさんは笑顔で佐奈に紙袋を手渡した。
「これみんなで食べて貰えるかい?手作りのお菓子なんだけど…了ちゃん、お礼がしたいって言ってるのにこういうの絶対受け取らないから。」
『了ちゃん…?ってヒナさんですか!?お礼って一体何の…?』
おばさんの口から出た思いもよらなかった名前に、佐奈は驚いた顔を浮かべおばさんに詰め寄った。
「店のパソコンがういるす?ってののせいで壊れちゃってね~電気屋さんにも買い替えるしかないって言われて困り果ててたの。ほら、お客さんの注文とか住所とかパソコンでやってたから。」
『はあ…。』
「そこにちょうど了ちゃんが買い物に来ててね、
事情を話したらたった数時間でなおしてくれて…
電気屋も信じられないって言ってたのよ!!」
『…!!』
「それからご近所のみんながここぞとばかりにパソコンの事を了ちゃんに相談し始めて一昨日からずーっと商店街のみんなに捕まりっぱなし!!
嫌な顔一つせず付き合ってくれてね、皆感謝してるわ。」
そう言って笑うおばさんを見ながら佐奈は昨日のヒナに仕事の話をした時の事を思い出した。
"手が離せない。他当たって。"
『あれは…これをやってたんだ…。』
「え?」
『あ、いえいえ…。』
思わぬヒナの一面に驚きながらも佐奈は少し嬉しそうに微笑んだ。
(…ヒナさんって私が思ってるような人じゃないのかも……じゃあもしかしてさっきのも…?いや…でも…)
「……でね、聞いてる?お嬢ちゃん!!」
『………え?あ…はい!!』
ふとヒナの事を考え込んで顔を赤らめた佐奈だったが、おばさんの言葉にハッと我に返った。
「でね、このお菓子作りの教室がすごく美味しくできるのよ!!いい花嫁修業になるから行ってみるといいわ。」
『は…はい。』
「看板出てなくって分かりづらいんだけど、新しくできた駅前のマンションの503号室で…。」
『・・・え?』
「だから駅前のマンションの503号室…」
『……え!!あああああ!!!!!』
「え?え?え???」
『あの…ありがとうございます!!これ、有難く頂戴いたします!!ではまた!!』
おばさんの言葉で何かに気付いた佐奈はおばさんに頭を下げ、おばさんの言う駅前のマンションへと走って行った。
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