02.夢のある浮気調査
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ー…ホー…ホー…
『ふえっくしゅ!!!!!』
あれから数時間、佐奈は寒空のなか張り込み続け、
旦那が笑顔でマンションを去る一部始終を見届け事務所に戻ってきていた。
『もう…男なんてサイテー…。みんな帰っちゃってるし終電も無くなっちゃったし…うう…。』
そう言うと、佐奈はバタリと机に突っ伏した。
『もういや……眠たい…。』
初めての張り込みに疲れきっていた佐奈は、そのまま眠ってしまった。
ー…ガチャ
『スー…スー…。』
「…。」
事務所の奥の部屋に寝泊まりしているヒナがコンビニから戻ると、薄明かりの中に佐奈がスヤスヤと寝息をたてていた。
その姿に少し驚いたように足を止めたヒナだったが、すぐにいつもの調子に戻りスタスタと部屋へと向かって行った。
『へっくしゅん…!!!!!』
「…。」
..........................
ー…チチチ
「おはようございます!そんなとこで寝てたら体痛くなっちゃいますよ、佐奈さん。」
耳元に聞こえた声で飛び起きた佐奈の隣には爽やかな笑顔の九条が立っていた。
『あ、九条さん…!?おはようございま…って体痛っ!!!』
変な体勢で寝ていたせいで痛む体を起こすと、佐奈の頭から薄手のブランケットが滑り落ちた。
『あれ…?これ誰のですか…?』
「来た時から佐奈さんにかかってましたよ?」
九条の言葉に佐奈は不思議そうに首をかしげた。
(…寝ぼけてどっかから持ってきちゃったのかな…?)
ブランケットを握りしめ考え込む佐奈に、九条が笑って言った
「ヒナじゃない?ヒナも事務所泊まってるんだよ。」
『え…?』
仕事も手伝ってくれなければ助けてもくれない。
話しかけた所でほとんど無視され返事はない。
いつだって無表情で笑顔なんて見た覚えもない。
そんな佐奈のイメージではヒナがそんなことをしてくれるとは到底思えなかった。
『ヒナさんが…?まさか…。』
「どいて。」
ー…バッ!!!!
突然後ろから響いた低い声に驚き振り返ると、ヒナが佐奈の背後に立っていた。
『…あの…ヒナさんこれ…。』
「……。」
佐奈の問いに足を止めることなくヒナは佐奈の横をすり抜け去って行った。
(やっぱり違うよね……これは私が寝ぼけて持ってきたんだろう…きっと。)
佐奈はハアと大きくため息をつくと、朝食を買いにコンビニへと向かった。