【リョガ種】毎分、毎秒。
「いつも修二に色々してもらってっから代わりに何かしてやるよ。俺にして欲しいこととかあるか?」
「ええの?ほな制服デートしたいわ☆」
「そんなんでいいのか?勿論いいぜ」
「ほんま!?ほなワイシャツとズボンは貸すとして……ネクタイ借りてくるわ!」
「は?今?もう日にち変わりそうだぜ……って行っちまったか」
0時前だということは分かっていた。
それでもテンションが上がってしまったのだから仕方ない。
バタバタと合宿所の廊下を走って目的の部屋のドアをノックする。
「はい?」
「俺や☆」
ガチャとドアを開けた毛利は驚いた顔をした。
「こないな時間にどないしたんです?」
「ネクタイ貸してくれへん?ツッキーのでもええけど」
「え?ネクタイ?」
「リョーガと制服デートしたいんや☆ワイシャツとズボンはあるんやけどネクタイなくて」
「あー、成程!ええですね。ほな俺の持ってきますわ」
部屋に戻った毛利はすぐに自分のネクタイを持ってきてくれた。
「どうぞ。返すんいつでもええんで」
「おーきに☆助かったわ。夜遅くにすまんな。テンション上がってしもて」
「いえいえ。嬉しい気持ち分かりますわ。俺も自分がそうやったら同じことしてたと思うんで」
「そう言って貰えると嬉しいわ。ツッキーにもすまんって言うといてな。ほな、おやすみ」
「はーい。おやすみなさい」
ニッコリ笑って手を振る毛利に手を振り返す。
どんな時でも笑顔で対応してくれる毛利は可愛い後輩だと思う。
あまりにも「いい人」過ぎて心配にもなるけれど。
(まぁ、ツッキーがついとるし大丈夫か)
2人が付き合い始めたのは3日前だ。
けれどそれ以前から恋人のようなものだったと俺は思う。
だからツッキーにけしかけて告白させたのだけれど──上手く行って本当に良かった。
お似合いの2人だからずっと一緒にいてくれたらいいなんて思いながら部屋に戻る。
「借りてきたわ」
「お、サンキュ。アイツらが起きてて良かったぜ」
「せやな。で、いつ行く?」
「そりゃ明日だろ。そんなに楽しみにされたら焦らすわけにもいかねぇし」
「ほんま?おーきに☆ほな明日行こか」
昼頃から出掛けてランチを食べて都会をぶらつく。
軽くプランを立て、眠りについた。
翌日、制服を着た俺は制服を着たリョーガと手を繋いで合宿所を出た。
「いってらっしゃーい!」
「ゆっくり楽しんでくるといい」
「おーきに☆存分に楽しんでくるわ」
「お土産買ってくるぜ」
毛利とツッキーに送り出され、笑顔を返してから歩き出した。
リョーガとデートしたことは何度かあるけれど制服というだけで何となく気分が変わる。
上機嫌な俺の顔を見たリョーガはカカカッと笑った。
「早速楽しそうじゃねぇか」
「まぁな。リョーガとおるだけで幸せなんやけど、制服デートってなるとますます嬉しくなるわ。何でやろ?」
「んー、学生時代の特権だから?」
「確かに。それは一理ありそうや」
他愛ない話をしつつ電車を乗り継ぎ、都会へ向かう。
事前に決めていたランチ店は穴場のようで日曜日でもそこまで混雑していなかった。
そしてネットで見た写真や情報よりもずっと良かった。
「めっちゃ美味いな。好みの味や」
「分かる。俺も好き。常々思ってたけど食いもんの好み似てるよな」
「せやな。それって一番ええことやない?」
「そうだな。こういう時困らねぇ」
リョーガの言う通り俺たちは好みが似ていた。
食べ物もそうだがファッションセンスも似通っていて、最近は私服を兼用することも多い。
それが嬉しかった。恋人を超えた関係のような気がして。
ふふっと笑う俺にリョーガは首を傾げた。
「ん?どうした?何か幸せそうだけど」
「そ、幸せやなぁって思ってたとこや。ほな行こか」
会計を済ませて店を出る。
次に向かった先はゲーセンだった。
「制服デート言うたらやっぱりこれやろ☆」
「あー、修二が好きなやつ」
俺が指さしたのはプリ機だ。
想像以上にリョーガは制服が似合っていたし、写真として残したいと思ってしまう。
ノリの良いリョーガは一緒にピースをしてくれたし、指ハートも作ってくれたし、最後には頬にキスまでしてくれた。
「ほんまリョーガは俺が喜ぶこと分かっとるなぁ」
「だろ?任せろよ」
ニシッと不敵に笑うリョーガを見てまた好きになってしまう。
だっていちいちカッコイイのだ。
毎分毎秒、恋に落ちてしまう。
「……ズルいなぁ、リョーガは」
「ん?何がだ?」
「もう何もかも全部や」
リョーガは頭に疑問符を浮かべていたがそれ以上は教えてあげなかった。
完成したプリを取り、じっと見る。
そこには幸せそうな2人が写っていて。
「おー、幸せそうでいいじゃねぇか」
同じ物を見て同じ想いを抱いてくれたこと。
些細なことかもしれないけれど、それは何よりも大切な気がした。
「ほんまにそうやな。これ、宝物や」
「あぁ。俺も大切にする」
その一言がまた俺を喜ばせる。
リョーガと付き合ってから日常が幸せだらけになった。いや、幸せに気付かせてもらったという方が正しいかもしれない。
「おーきに、リョーガ」
「こちらこそ」
そう言ってリョーガは俺の手を握った。
「まだまだ沢山楽しもうぜ」
「ん、せやな☆」
ただの制服デート、近くの都会──特別なことではないのだけれど俺には特別に思えるのだ。
だって隣には大好きな君がいるから。
「ええの?ほな制服デートしたいわ☆」
「そんなんでいいのか?勿論いいぜ」
「ほんま!?ほなワイシャツとズボンは貸すとして……ネクタイ借りてくるわ!」
「は?今?もう日にち変わりそうだぜ……って行っちまったか」
0時前だということは分かっていた。
それでもテンションが上がってしまったのだから仕方ない。
バタバタと合宿所の廊下を走って目的の部屋のドアをノックする。
「はい?」
「俺や☆」
ガチャとドアを開けた毛利は驚いた顔をした。
「こないな時間にどないしたんです?」
「ネクタイ貸してくれへん?ツッキーのでもええけど」
「え?ネクタイ?」
「リョーガと制服デートしたいんや☆ワイシャツとズボンはあるんやけどネクタイなくて」
「あー、成程!ええですね。ほな俺の持ってきますわ」
部屋に戻った毛利はすぐに自分のネクタイを持ってきてくれた。
「どうぞ。返すんいつでもええんで」
「おーきに☆助かったわ。夜遅くにすまんな。テンション上がってしもて」
「いえいえ。嬉しい気持ち分かりますわ。俺も自分がそうやったら同じことしてたと思うんで」
「そう言って貰えると嬉しいわ。ツッキーにもすまんって言うといてな。ほな、おやすみ」
「はーい。おやすみなさい」
ニッコリ笑って手を振る毛利に手を振り返す。
どんな時でも笑顔で対応してくれる毛利は可愛い後輩だと思う。
あまりにも「いい人」過ぎて心配にもなるけれど。
(まぁ、ツッキーがついとるし大丈夫か)
2人が付き合い始めたのは3日前だ。
けれどそれ以前から恋人のようなものだったと俺は思う。
だからツッキーにけしかけて告白させたのだけれど──上手く行って本当に良かった。
お似合いの2人だからずっと一緒にいてくれたらいいなんて思いながら部屋に戻る。
「借りてきたわ」
「お、サンキュ。アイツらが起きてて良かったぜ」
「せやな。で、いつ行く?」
「そりゃ明日だろ。そんなに楽しみにされたら焦らすわけにもいかねぇし」
「ほんま?おーきに☆ほな明日行こか」
昼頃から出掛けてランチを食べて都会をぶらつく。
軽くプランを立て、眠りについた。
翌日、制服を着た俺は制服を着たリョーガと手を繋いで合宿所を出た。
「いってらっしゃーい!」
「ゆっくり楽しんでくるといい」
「おーきに☆存分に楽しんでくるわ」
「お土産買ってくるぜ」
毛利とツッキーに送り出され、笑顔を返してから歩き出した。
リョーガとデートしたことは何度かあるけれど制服というだけで何となく気分が変わる。
上機嫌な俺の顔を見たリョーガはカカカッと笑った。
「早速楽しそうじゃねぇか」
「まぁな。リョーガとおるだけで幸せなんやけど、制服デートってなるとますます嬉しくなるわ。何でやろ?」
「んー、学生時代の特権だから?」
「確かに。それは一理ありそうや」
他愛ない話をしつつ電車を乗り継ぎ、都会へ向かう。
事前に決めていたランチ店は穴場のようで日曜日でもそこまで混雑していなかった。
そしてネットで見た写真や情報よりもずっと良かった。
「めっちゃ美味いな。好みの味や」
「分かる。俺も好き。常々思ってたけど食いもんの好み似てるよな」
「せやな。それって一番ええことやない?」
「そうだな。こういう時困らねぇ」
リョーガの言う通り俺たちは好みが似ていた。
食べ物もそうだがファッションセンスも似通っていて、最近は私服を兼用することも多い。
それが嬉しかった。恋人を超えた関係のような気がして。
ふふっと笑う俺にリョーガは首を傾げた。
「ん?どうした?何か幸せそうだけど」
「そ、幸せやなぁって思ってたとこや。ほな行こか」
会計を済ませて店を出る。
次に向かった先はゲーセンだった。
「制服デート言うたらやっぱりこれやろ☆」
「あー、修二が好きなやつ」
俺が指さしたのはプリ機だ。
想像以上にリョーガは制服が似合っていたし、写真として残したいと思ってしまう。
ノリの良いリョーガは一緒にピースをしてくれたし、指ハートも作ってくれたし、最後には頬にキスまでしてくれた。
「ほんまリョーガは俺が喜ぶこと分かっとるなぁ」
「だろ?任せろよ」
ニシッと不敵に笑うリョーガを見てまた好きになってしまう。
だっていちいちカッコイイのだ。
毎分毎秒、恋に落ちてしまう。
「……ズルいなぁ、リョーガは」
「ん?何がだ?」
「もう何もかも全部や」
リョーガは頭に疑問符を浮かべていたがそれ以上は教えてあげなかった。
完成したプリを取り、じっと見る。
そこには幸せそうな2人が写っていて。
「おー、幸せそうでいいじゃねぇか」
同じ物を見て同じ想いを抱いてくれたこと。
些細なことかもしれないけれど、それは何よりも大切な気がした。
「ほんまにそうやな。これ、宝物や」
「あぁ。俺も大切にする」
その一言がまた俺を喜ばせる。
リョーガと付き合ってから日常が幸せだらけになった。いや、幸せに気付かせてもらったという方が正しいかもしれない。
「おーきに、リョーガ」
「こちらこそ」
そう言ってリョーガは俺の手を握った。
「まだまだ沢山楽しもうぜ」
「ん、せやな☆」
ただの制服デート、近くの都会──特別なことではないのだけれど俺には特別に思えるのだ。
だって隣には大好きな君がいるから。
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