欠けた××


「時雨、好きです。」

「どストレートだな、お前は。」


 毎度のことながら、ユウサリはよくそう言ってくる。


 …こいつが、転生前の“私”に今の俺を重ねているのかどうかは分からない。

 ただ、何かあればユウサリは俺に「好き」と言ってくる。

 まあ、その度に蒼夜とガチバトルになるんだがな。

 だが今回は蒼夜がいない。おかげでガチバトルは起こらずに済みそうだが……



 その場合は、いつもこうだ。


「…なあ、ユウサリ。俺はお前が嫌いだ。」













 なあ、何なんだよ。


 俺が「嫌い」と言う度に、なんで…

 なんで、そんな悲しそうに笑うんだよ?




 伝わらぬ「言葉」




.
1/5ページ
スキ