欠けた××
「時雨、好きです。」
「どストレートだな、お前は。」
毎度のことながら、ユウサリはよくそう言ってくる。
…こいつが、転生前の“私”に今の俺を重ねているのかどうかは分からない。
ただ、何かあればユウサリは俺に「好き」と言ってくる。
まあ、その度に蒼夜とガチバトルになるんだがな。
だが今回は蒼夜がいない。おかげでガチバトルは起こらずに済みそうだが……
その場合は、いつもこうだ。
「…なあ、ユウサリ。俺はお前が嫌いだ。」
なあ、何なんだよ。
俺が「嫌い」と言う度に、なんで…
なんで、そんな悲しそうに笑うんだよ?
伝わらぬ「言葉」
.