第一印象
俺がそう答えると、リントが目を丸くした。
「へぇ…案外普通の答えだなー」
「どういう意味だコラ」
リントの頭を軽く叩くと「イテッ」と声を上げた。
…普通で悪かったな。←
「おー。仲が良いな、お前ら」
「はっ!?」
今度はトキワさんがやって来た。いつものように、ニコニコしながら話し掛けてきたが……何か、解せない。
「ん?どうしたオルフィ。不満げな顔して」
「えっ?あ…いや、何でもないです」
…顔に出ていたか。
それにしても、どうやったらシズクと仲良くなれるんだろうか。まずは切っ掛けがあれば……
そう考えていると、トキワさんが「そうそう」と何か思い出したように話し出す。
「フレイ達がクエストを受けてきたらしいんだが、そのクエストではメンバーを入れ換えてやるってさ」
「へぇ…メンバーの入れ換え……えっ」
意外すぎるワードに俺は固まってしまった。横にいて、事情を知っていたリントはパチパチと拍手をしていた。
「おお!よかったじゃん、オルフィ!」
「?」
事情を知らないトキワさんはきょとんとした表情で首を傾げていた。
「実はですねー…」
「…って、はっ!?ななな、なに勝手に話してるんだお前!!」
「ふーん…成る程なぁ」
…やっぱり言わなければよかった…!
リントから話を聞き、トキワさんは何度か頷き、俺の方を見るとニヤリと笑ってきた。
「何ですか……」
「そう拗ねんなって!でも、今回のクエストだとワンチャンある感じかもな!」
「まあ…入れ替えがあるみたいだし…そりゃ…」
「ねー!一緒になれるといいね!」
リントに言われて少し不安になった。いや、コイツが言ったのもあるが、一緒になってもちゃんと会話とか出来るのだろうか…と思ってしまう。
そのことがまた顔に出ていたのだろうか、不意に頭をぽんぽん、と撫でられた。驚いて顔を上げると、トキワさんがニッと笑いかけてきた。
「大丈夫だよ、シズクは臆病なところもあるけど、本当にお前さんを嫌っている訳ではないだろうからさ。」
「え…」
俺がなんて言おうかとしている間に、くしゃりとまた撫でられ、彼はふらりと去って行った。
……なんだろう、あの人。相変わらず何か掴めない感じがするが…今の言葉を聞いて少し気が楽になった。
(…シキも言ってたな…ヘンなヤツだって…)
その意味を改めて納得した。けどまぁ…悪い人じゃなさそうだとも感じた。
ぼんやりとそう考えていると、フレイがやって来た。多分、例のクエストの件だろう。
「リント、オルフィ。今夜七時にクエストについての話し合いをするんで、宿屋のホールに集まってください。」
「フレイ師匠!了解でっす!」
「了解した」
リントがフレイを「師匠」と勝手に呼び、彼が顔をしかめ、軽くチョップを入れられていただ…まあ、いつものことだろう、うん←