救助要請
―――第四迷宮
何処と無く陰湿な空気が漂う迷宮の中をアタシただ一人が、走り抜けていた。
息が上がり…苦しくて仕方ない。でも…足を止めたら…
そうこう考えていると、目の前に上の階へ行くための階段が見えた。
今アタシが目指す…場所だ。
「どうにかしなきゃ…っ!?」
階段を登ろうとした瞬間、急に体が重く感じ、ぐらりと視界が流れた。
「……ぁ…」
体の感覚がおかしい。僅かに動かすだけで体力が奪われていく。これは…毒…?
(…そういえば…今追ってきてる魔物の中に蜂とかキノコがいた……)
多分そいつがやったんだろう。あー…ついてないなぁ…アタシ。
(ていうか…このままだと全滅じゃん…)
すぐ近くにD.O.Eまでもが迫ってきている。すべての原因はコイツの所為だ。
偶然にもD.O.Eと遭遇してしまい、勝ち目がなさそうな機械的な方に出逢ってしまった。
即座にカノンとクオンが応戦したけども…
「ハルニア、ルイス!逃げて!」
「私らが足止めをするから逃げ切れ!」
明らかにフラグですか?とツッコミを入れたいくらいの台詞を言った二人。取り合えず、砦を破壊させることによるD.O.Eの撤退を考えたんだろうとは思うけども……
一応言われた通りに逃げた所、すぐに魔物とD.O.Eは追ってきた。
マズい!と思った瞬間、ルイスが魔物の方に向き合った。そして…
「足止めするから……逃げて。」
いやお前もか!と言うツッコミはさておき。
兎も角言われるがままに私は逃げまくった。そして、冒頭に戻る。
(……体…動かなくなってきた…)
アタシはメディックであるから、この状態がかなり危険なのは嫌と言う程わかっている。
魔物やD.O.Eは上の階に向かったみたいだった。幸い、その先には砦がある。恐らくそれで撤退はすると思うけど……
(……本格的に……マズ…い…)
せめて、意識を失う前に……これだけは…!
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