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銃と刀


 しかし男、いや青年はその反応を肯定と見たらしく、「やっぱり!」と喜んでいる。

「いやー、最初わかんなかったですよー!あっちの時の服装と全く違うから」

「………いや、それを、言ったら、お前も、」

 何故か言葉が上手く出ない。何とか出たのがそれだけだ。

「あ、それもそうか!確かに今の俺はフーライだし!」

 あっけらかんと笑う青年。いやもう、誰かツッコミを入れてくれ、というか――

(なんでこいつがここにいるんだ――!!?)

 飛燕 シノ、アルカディアの冒険者の一人であり、クラスはマスラオのセリアン族の青年。

 いや、シランがアサギ達を連れてきた時点で色々諦めていたといえばそうだが…!
 悶々と考えていると不意に背中をすっと撫でられ、変な声を上げる。

「ぅひゃう!?」

「なーにボサッとしてるんですか、トキワさん…って、ん?」

 店から出てきたハルニアが俺の目の前にいるシノと俺を交互に見た。
 一度首を傾げてから、ハルニアは俺の方を見て

「知り合い?」

 と聞いてきた。
 …知り合いっちゃそうだが、何処まで話すべきか。
 一応俺がアルカディアに行ったことがある、ということは言ってはある、言ってはあるが…

(…ハルニアなら大丈夫、か)

 何故かそう感じた。というのも、コイツとはエトリアからの(腐れ縁レベルの)付き合いだ。それに、モリビトや翼人とかいうそういう「別種族」には見慣れているだろう。…まぁ、かつて見てきた者達と比べれば、セリアン族はかなり人間らしい見た目をしているが。

「まぁ、そうだな。…買い出しはもう終わりか?」

「え?あー…さっきのでラストですよ。」

「ならさっさと宿に帰ろう。そのついででコイツのことも紹介する」

「りょーかいです。そこのおにーさんもいいですよね?」

「おう!あ、あとミゾレも連れてくる!」

「ゴフッ!?」

 その名前を聞いて今度は咽込んだ。

「ちょ、なんで咽たし!?」

 
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