混乱ぱにっく


「なあ、混乱した時も性格変わんないヤツって誰だと思う?」

「唐突ねシノ。」

「いやあ…この間、混乱しただろ?そん時さぁ…なんか、性格豹変していた気がするんだよ。」

「誰が?」

「ミゾレが」

 俺がそう言った瞬間、ミゾレが固まった。…そんな変な事言ったか、俺?
 なんとなくセージを見ると、何故か溜め息を吐かれた。…何故に!?

「ストレートに言うか、それ……」

「えー……」

 なんか呆れられた←
 でも…事実なんだよな、ミゾレは……。

(思い出してみても…なかなか怖いよ、アレ)

 なんせ、何故か笑いながら攻撃してくる。その攻撃が敵に行くか俺達に向くかはミゾレ次第。だから怖い。笑っているから余計に怖い。

「…そ、そんなに変わってたの?私……」

 戸惑いの表情を浮かべながらセージを見るミゾレ。するとセージが困ったような顔をして……俺を見た。いかにも、どうしたらいい、と言いたげに。

「いやそんな顔されてもなぁ…一応、事実なんだし…」

「………」

「う……そうなのか…。…混乱した時のこと、あまり覚えてないから…」

「まぁ、覚えてない方がいいかもなー…」

 性格が変わってしまっていることもそうだけど、仲間を攻撃しようとしたこともあるしな。…実際、俺も混乱したことあるし、頭の中グチャグチャで…周りもグチャグチャになっていて、体が言うこときかなくなったりした…そんなことを覚えている。その時攻撃したのが何だったのかはわからない。…もし仲間だとするとゾッとする。
 俺はマスラオだし、攻撃力が高いことを自負してる。…その力で仲間を傷付けると考えると、恐ろしい。

 色々と考えていたせいか、それが顔にも出ていたのか、ミゾレが大丈夫?と聞いてきた。

「あ…うん。平気だ!」

「そう?…ところで、セージの場合はどう思う?」

「え、僕…?」

 そう言って目を丸くするセージ。…まだまだ続く混乱した時の性格トーク。まあ、深く考えなきゃ大丈夫だろう。多分←

 けどセージか……そうだなぁ……。

「私的にはあまり変わらなかった気がするけど。」

「うん、俺もそう思う」

 ミゾレと俺がそう答えると、セージは少し安心したような表情をした。だが、まだ複雑そうな顔もしている。

「…なんか、複雑」

 …うん、まあ、そうだよな←






 …この時までは、まだよかった。
 いやむしろ、ミゾレの性格変化が可愛くみえることが起きた。

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