記憶が砕けた音



 ――ちりん




 鈴の音が聞こえる。その音は心地よい。





 ――ちりん




 自然と体が前へと歩き出す。いつの間にか景色が霧のかかった場所に変わっていた。




 ――ちりん



 鈴の、音のする方へ、歩く、歩く。




 ――ちりん



 歩く度に何かが水の中に落ちるような音がした。

















 ――ちりん





「あ…――――」



 目の前が、まっしろに






























 記憶が砕けた音



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