短いお話


【苦手な物】


「トキワさんって、何か苦手な物とかあります?」

「唐突だなエル…」

 思わずそう言えばエルディアは「いいじゃないですかー別にー」と唇を尖らせる。
 でも…苦手な物か…。

「そうだなー…魔物とかならミミズ系かな」

「何故にミミズ…しかも、タルシスじゃあまり見ないような…。でも何でミミズなんですか?」

「…いや、昔エトリアで冒険してた時な……そいつに絡まれて腕と脚封じられたことがあってだな……」

 しかも結構な頻度であったものだからハルニアに「ミミズに好かれる(物理)」とか言われてた、ということを伝えると、エルディアは「おおう…」と唸った。

「…大変でしたね……」

「ああ……メチャクチャ大変だったわ…」

「しかもエトリア時代ってことは、まだ今みたいな両刀ではなかった頃ですよね?うわー…腕と脚封じとかキツいじゃないですか…」

「そうなんだよー…当時は本当、腕と脚封じられたら何も出来なくなるからすっごい困るんだよアレ……」

 封じの厄介さは本当に困る。今なら印術が使えるからいいけどなぁ…。
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