第二話 魔導師と精霊
「随分と恥ずかしがり屋さんなのね、リュイは。…それで、どうして竜胆はここに?」
「……正直に言っていいか?」
キョトンとした表情になるユーリス。オレと彼女を交互に見ながらにやにやと笑みを浮かべているルナリーフ。
…この精霊、多分わかってるだろ、絶対。
「迷った」
「え…?」
ぽかーんというように呆然とするユーリス。そして…
「ぷっ…そんな事だろうと思ったよ!アハハハハハ!」
腹を抱えて笑いだすルナリーフ。
…穴があったら入りたい。というか、今すぐ影に溶け込んで逃げ出したい。
頭を抱えながら溜め息を吐き、そんなことを考えていた。
◇
──ユーリスの家
ユーリスの家が近くにある、ということで彼女の家へ案内してもらった。
森の中に家?と一瞬首を傾げたが、名乗った時にユーリスは魔導師と言っていた。
…それに、この人は多分、人間と別の血が混ざった種族だと感じる。何故わかったのかは…纏っている雰囲気というか気配が人間とは違う、と感じたからだ。
(…これも神の権能とかそういうのか?)
ぼんやりとそんな事を思いながら、先を歩く彼女の姿を見ていた。
パッと見は人間と変わりない。しかし気配は人間と別種族の混ざりモノ…。
そういえば、彼女とよく似た気配を持っていた神が一人、いたような。
(そうだ…ユウサリと似てる。ということは…)
「ハーフエルフ…?」
思わず声に出してしまい、慌てて口を手で閉じる。恐る恐るユーリスの方を見ると、彼女は目を丸くしてオレを見ていた。
「…ええ。そうだけど…」
「ごめん、あ、いや、別にその…変な意味とかはないから!」
咄嗟に何と言ったらいいかわからず、オロオロとしていると、ユーリスは吹きだした。
「ふっ…ふふ、そんなに慌てなくても大丈夫よ」
「言っておくけど、ユーリスがハーフエルフだからって別に不利とか差別とかは受けてないからね。ここはそんな世界なのさ」
代わりにルナリーフが溜め息を吐きながら説明をしてくれた。
ユーリスが森を拠点にしている理由は魔術と精霊術の為とのこと。自然と近い場所の方が、精霊と交流がしやすいというという考えの元なんだとか。
「だから、【森ノ魔導師】ユーリスの事を知らない人はいないのさ!」
「もう、ルナリーフったら…」
えっへんと胸を張って得意げに話すルナリーフ。それをユーリスは困ったように微笑む。
「へぇ…そんなに凄い人だったとは…。」
「いやいや、竜胆の方がもっと凄いよ!だって、神様でしょ?まさか、生きているうちに神様に会えるなんて、驚きだなぁ」
「いや…オレなんてまだ…」
「そーだよユーリス。そいつまだまだ若造だから!」
茶化すようにルナリーフが言う。…本当、その通りだから耳が痛い。
ふとリュイを見ると、こっそりとユーリスの方を見ていた。特に、背格好が近いルナリーフをじーっと見ていた。
その視線に気付いたのだろう、ルナリーフは微笑み、小さく手を振った。
リュイはびっくりしたらしく、目を丸くしていたが、戸惑いながらも手を振りかえした。
「……正直に言っていいか?」
キョトンとした表情になるユーリス。オレと彼女を交互に見ながらにやにやと笑みを浮かべているルナリーフ。
…この精霊、多分わかってるだろ、絶対。
「迷った」
「え…?」
ぽかーんというように呆然とするユーリス。そして…
「ぷっ…そんな事だろうと思ったよ!アハハハハハ!」
腹を抱えて笑いだすルナリーフ。
…穴があったら入りたい。というか、今すぐ影に溶け込んで逃げ出したい。
頭を抱えながら溜め息を吐き、そんなことを考えていた。
◇
──ユーリスの家
ユーリスの家が近くにある、ということで彼女の家へ案内してもらった。
森の中に家?と一瞬首を傾げたが、名乗った時にユーリスは魔導師と言っていた。
…それに、この人は多分、人間と別の血が混ざった種族だと感じる。何故わかったのかは…纏っている雰囲気というか気配が人間とは違う、と感じたからだ。
(…これも神の権能とかそういうのか?)
ぼんやりとそんな事を思いながら、先を歩く彼女の姿を見ていた。
パッと見は人間と変わりない。しかし気配は人間と別種族の混ざりモノ…。
そういえば、彼女とよく似た気配を持っていた神が一人、いたような。
(そうだ…ユウサリと似てる。ということは…)
「ハーフエルフ…?」
思わず声に出してしまい、慌てて口を手で閉じる。恐る恐るユーリスの方を見ると、彼女は目を丸くしてオレを見ていた。
「…ええ。そうだけど…」
「ごめん、あ、いや、別にその…変な意味とかはないから!」
咄嗟に何と言ったらいいかわからず、オロオロとしていると、ユーリスは吹きだした。
「ふっ…ふふ、そんなに慌てなくても大丈夫よ」
「言っておくけど、ユーリスがハーフエルフだからって別に不利とか差別とかは受けてないからね。ここはそんな世界なのさ」
代わりにルナリーフが溜め息を吐きながら説明をしてくれた。
ユーリスが森を拠点にしている理由は魔術と精霊術の為とのこと。自然と近い場所の方が、精霊と交流がしやすいというという考えの元なんだとか。
「だから、【森ノ魔導師】ユーリスの事を知らない人はいないのさ!」
「もう、ルナリーフったら…」
えっへんと胸を張って得意げに話すルナリーフ。それをユーリスは困ったように微笑む。
「へぇ…そんなに凄い人だったとは…。」
「いやいや、竜胆の方がもっと凄いよ!だって、神様でしょ?まさか、生きているうちに神様に会えるなんて、驚きだなぁ」
「いや…オレなんてまだ…」
「そーだよユーリス。そいつまだまだ若造だから!」
茶化すようにルナリーフが言う。…本当、その通りだから耳が痛い。
ふとリュイを見ると、こっそりとユーリスの方を見ていた。特に、背格好が近いルナリーフをじーっと見ていた。
その視線に気付いたのだろう、ルナリーフは微笑み、小さく手を振った。
リュイはびっくりしたらしく、目を丸くしていたが、戸惑いながらも手を振りかえした。