プロローグ
そう思っていると、グウゥ…っとお腹が鳴った。
慌てて女の子を見ると、クスリと笑っていた。
「お腹すいたんだね。何か持ってくるよ!」
そう言って部屋から出ていった。
数分後、女の子か何か持ってきた。
「はい!どうぞ♪」
ニコニコとよく笑うな…この子。
女の子が持ってきたのは温かいシチューだった。
一口食べてみる。……温かい、美味しい。
素直にそう思った。
気づけば夢中になって食べていたらしく、スープ皿は空になっていた。
「おー…すごい食欲。余程お腹すいていたんだね…それにボロボロだったし……でもよかった。」
何処か困ったように眉を下げながら微笑む。
…僕には、この子が聖女とかそう言ったモノに見えた。
「…ニンゲンにも、良いヤツはいるんだね。」
「?そうだねー…。アタシは人間じゃないけど、確かに良い人はいるよ~」
は?
ニンゲンじゃない?
「えぇ!?それどういう事!?」
どこからどう見ても人間だろう?あ、それを言ったら僕もそうだ。
ポッチャマだったのに、なんで人間になってるんだ!?
「その答え、教えてやろうか!」
そんな声がして、部屋のドアが文字通りバーン!!と開いた。
い……一体何なんだ!?
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