プロローグ
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…………
………
……
あたたかい…?
なんでだろう。ぼくはしんだんじゃないの?
「………♪…」
なんだろう。なにかきこえる。
「♪~…」
うた……?きれいだ……
「♪~♪~……あれ?気がついた?」
「……え?」
目を開けると、淡い緑の髪の女の子が笑っていた。
… ニ ン ゲ ン !
「うわぁっ!!」
「ふぇっ!?どうしたの…いきなり…」
思わず頭を抱える。そして、違和感を覚えた。
まず、目線の位置がいつもより高いこと。
次に、僕が青と水色のパーカーを着ていること。調整するための紐の先に、白いポンポンがついている。
そして……人間の手をしていること。
おそるおそる自分の顔に触ってみると、嘴はない。ポッチャマ特有の産毛もない。頭に触ると、サラサラした髪があった。
……僕は完全に人間になっていた。
「な……なんで……」
「あの~…大丈夫?お水でも飲む?」
心配そうに僕を見る女の子の手には、水の入ったコップがあった。
僕は黙ってそれを受け取り、飲み干した。
感覚とかも、凄くリアルだ。
…夢でも見てるのかな、僕。
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