プロローグ


 何処かの森の中。


『……ハァ……ハァ……』

 どれくらい歩いただろう?走っただろう?

 分からない……僕が今、何処にいるのか。


『……ハァ……うぅ…もう……歩けない…』

 地面に倒れ込む。土がヒンヤリしていて気持ちいい。

 同時に今までも、こんな風に倒れたこともあったな、と思い出す。

 正確には、自分からじゃないけど。


『……アイツなんて……人間なんて……ッ!』

 僕は地面を叩く。叩いても、手が痛くなるだけだった。

 グウゥ…とお腹が鳴る。

『…お腹すいたな……』

 辺りを見渡してみたけど、周りにあるのは木だけ。…木の実がなっていそうなのは見当たらない。

『……はあ……』

 思わず、溜め息を吐いた。

 ……どうやら、ここまでみたいだ。


 多分、僕は助からない。誰にも見つけられずに、死ぬんだ。


 僕はそう思いながら、仰向けになった。

 空は、キラキラと綺麗な星が輝いていた。


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