If story ~不思議な出会い~
「でもどうして……そんな世界に来ることが……あ」
最後まで言う前にリーシアは気づいたみたいだ。…というか、アレしかない。
「あの光……アレしかないだろ…」
溜め息を吐きながらリヒトはそう言った。
「光が一体なんだったのかはわからない。ポケモンの所為だとすると……思い当たるポケモンはかなり絞られる。」
淡々とリヒトは続ける。チラリとオレを横目で見ると「図鑑」と呟いたのが聞こえた。
ああ…成る程。オレの方が埋まっているから、オレのを出せってか。←
「あーハイハイ。えっと…」
ポケモン図鑑を取り出し、条件に合いそうなポケモンを探す。
「あり得るとするなら……セレビィ…? コイツは"時渡り"で時間を越える事が出来るとは聞いてるが…」
画面に映る、緑色のポケモンを見ながら呟く。…脇からリーシア達が覗き込んでいる気配がしたが…気にしないでおこう。
「あとは…シンオウの伝説達……ディアルガとパルキア…、そしてギラティナ。ギラティナは持ってるが……アイツは"破れた世界"の主だし…近いと言えば近いか?」
「ルギア、ホウオウは当てはまりそうには無さそうですね…」
ワタルも図鑑を覗き込みながら呟く。…あえて、伝説と幻でしか考えてないが……普通のポケモンで出来るとは到底思えない。だから、伝説、幻で考えてみたのだが……
「カイオーガ達……陸、海、空の超古代ポケモンも違いますね……」
「生命を与える、破壊する、秩序……カロスも当てはまるとするなら…微妙だけど…秩序……?」
「……呼んだ?」
「「「「「うぇ!?」」」」」
後ろから声が聞こえ、振り返ると……黒と黄緑の服を着、フードを被った少年……いや、擬人化したジガルデのガルデが、ちょこんと首を傾げながら立っていた。
「…どうした?セレナ……」
「え…ちょ、何で出てきてんのよガルデ~…」
「?」
うわぁ…と嘆くようにガルデの肩に手を置き、項垂れるリーシア。何故そんな反応をしたのか理解できないガルデは、きょとんとしていた。
「……あのロケット団のニャースが喋るより、こんな風に擬人化してくる方がもっとすげぇよ。更には平然とポケモンと会話出来る、Nやワタルがいるわけだし……」
「あー…否定出来ねぇ。それ」
思わず呟いた事に、リヒトが呆れた表情をしながら頷いていた。
◆
で、絞り出した結果…あり得そうなのは……セレビィ、ディアルガとパルキア、そしてアルセウスやミュウ…といった所だった。
いや、可能性として…アルセウスはかなり低いとは思うがな……なんせ、創造神だし……
ミュウは…何となくだ←
因みにギラティナはオレが一度ボールから出し、聞いてみたが違うと言われた。
「…やっぱこの辺りのポケモンか……」
「一番あり得そうなのは……時間の神、ディアルガと空間の神、パルキア……。あの二匹を持ってる先輩が知り合いだしな、オレ」
シンオウにいた頃に、色んなトラウマを植え付けてきた先輩トレーナーの顔を思い出しかけ、慌てて首を振って忘れる。
「まさかとは思いますが……その先輩がやったという可能性は…」
恐る恐るという感じでルーファが問いかける。…可能性…か……。
「…否定出来ない。そうだとするなら、オレだけを狙ったが、偶然近くにいたリーシア達が巻き添えを食らった、みたいな風にも考えられるぜ……」