If story ~不思議な出会い~
…で、何だかんだで地上に降りた。
「…なあタクト、そのギルガルド……実は弱点保険持ってる「ああそうだよ持たせてるよ!!」…やっぱりな。」
「…どう言う意味だ?リヒト…」
拳を作りながら、努めて笑顔でリヒトに振り返る。
「ま…また一触即発状態……いい加減にして下さいよ!大人気ないですよ!」
セレナに一喝され、仕方なくやめる。…畜生、解せぬ。←
「……にしても、なんでカロスにロケット団がいたんでしょうね…?」
ルーファが控えめに言う。…向こうからさっきの少年とピカチュウがやって来るのを見て、オレは一つの考えが浮かんだ。
◆
…で、お互い自己紹介やら、お礼やらを言ったりして、今は交流をしている。
それと、さっきのロケット団はサトシ達をよく狙うらしい。…どんな日常だよ←
ただ、話している内に、さっきの考えが確信に変わっていった。
…あと、サトシ達の方にも「セレナ」がいて、非常に驚いたが……容姿も少しにているが、性格と目標が大きく違うみたいだ。…よかった。こっちのセレナ(今はリーシア…名字の方を呼ぶことにしている。)みたいじゃなくて…←
「なあ、タクトはポケモンリーグに出ようと思わないのか?」
「ん?なんでそう思うんだ?」
色々考えていると、サトシがそう聞いてきた。 …で、オレがそう返すと、目をキラキラさせてきた。
「だってさ、さっきのムクホークや…ギルガルドだっけ?タクトのポケモン達、きっとすっげー強そうだったから!」
「お、おう……」
ある意味では強い、けどな…あいつらは。←
だからと言って、理由を言うわけにはいかない。…教えたら罪悪感が出てきそうで仕方ないから。←←
「ま…まあ…一応は考えてるかな、うん」
ぎこちなく返事をするが…「そうなんだ!」と特に気にする様子もなく、あっけらかんとサトシは言う。
よ…よかった。←
◆
一度サトシ達から離れ、話し合うことにする。
「…で、何かわかったんですか?」
不機嫌そうにリーシアが言う。…意外とセレナ達との会話に花を咲かせていたらしい。それを無理やり中断させたからか、ムッとしているのがわかる。
「まあ…落ち着けリーシア。いやー…さ。この世界の事なんだけど…多分、平行世界みたいなカロスなんだと思うんだよな」
「あ、タクト先輩もやっぱりそう思いますか…?」
ルーファも何となくは察していたらしく、頷いた。
サトシ達と話している時、バトルの形式、ボールの違いなど…色々異なる所が多い事に気づいたんだ。
気になって先程、シトロンから一つモンスターボールを貰ったのだが…。
自分のバッグから空のモンスターボールを取り出し、見比べる。
大きさ自体には大差ないが……赤のカプセルの部分が違う。
オレ達の世界のモンスターボールは、赤のカプセルの部分が透明になっており、中にいるポケモンが見えるようになっている。他のボールも同じで、中は見えるように作られているのがオレ達の世界の物。
対し、サトシ達の世界のモンスターボールは…赤のカプセル部分は不透明で、中にいるポケモンを見ることが出来ない。開けてみると内側は機械的になっている。
「ボール一つですら、この違いだ。…何が言いたいか…わかるよな?」
オレがそう言えば、全員頷いた。
「……似ているけど、違う世界。そう言うことですよね」
静かにルーファが結論付けた。
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