悪夢と夢想
「……ちょ、ルーファ!?なんで…泣いているのさ?」
「え…?」
カイオネが慌てたように声を上げる。どうして視界がぼやけるの…なんて思っていたけど、わかった。
私、泣いているんだ。
でも何でだろう?どうして…私は泣いているんだろう?
わからない……
「わからない……なぁ…」
そう言って、ぼやけた視界がぐらりと傾いた。
「ルーファ!?」
あっと思った時にはもう、意識を手放していた。
ただ。
「―――ルーファちゃん!」
完全に手放す直前、私を呼ぶもう一人の声と、腕を引かれる感覚がした。
◇
「…………ん…」
目が覚めたら見慣れない天井が見えた。
「……?」
あれ…私、いつの間に寝たっけ?
(確か…怖くてリアルな夢を見て……二度寝する気しなくてそのまま外に出て…カイオネと話して……?)
そこから先の記憶がない。ただ……誰が私の名前を呼んでいたような……
「気がついたかい?ルーファちゃん」
「………え…?」
何故か、目の前には微笑みを浮かべたダイゴさんがいた。