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悪夢と夢想


 目の前に広がるのはボロボロに崩れた目覚めの祠と崩壊してしまったルネの町。

 空は何もなかったかのように青い。

 ついさっきまで、二匹の超古代ポケモンが戦いを繰り広げていたのに。その時はずっと、強い日照りと酷い雨が繰り返していたのに。


 まるで……嘘みたいだ。


 そう思いたかった。


 でも、出来ない。


 足元を見れば、瓦礫がある。
 その先を見れば、ポケモンと…私が……知っている人達が倒れていた。他にも戦いに巻き込まれてしまった無関係の人達もいる。


「私のせいだ……」


 私にもっと力があれば……


 そうだったらこんなに人もポケモンも死ぬ必要がないのに。

 守りたいモノも守れたというのに。


「……ごめ…ん…っ…なさ……い…」

 嗚咽が込み上げてくる。

 謝ったって、何も変わりやしない。


























 どうして、私だったのだろう?













「…っ……教えて…くださいよ……





 ……ダイゴさん………どう…して私……だっ……たんで…すか?」





 静まり返ったこの地に、それに答えてくれる人はいなかった。





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