「とある少年」の話
「…そう言えば、彼らもカロスから来たと言っていたな…。セレナちゃん、きみのリザードンと同じメガシンカ使いの少年トレーナーを知っているかい?」
ダイゴの言葉にセレナは首を傾げた。
「グレムと同じ…メガリザードンXを使うトレーナー、ですか…。どうだろう…私の周りにメガシンカを使う人はそこまでいなかったからなぁ……」
うーんと考え込むセレナ。
そのやり取りを見ていたルーファがダイゴに訊ねた。
「ダイゴさん、そのトレーナーさんってなんて名前なんですか?」
「アラン。そう名乗っていた」
アラン、ですか…とセレナは更に考え込むが首を横に振った。
「わかんないです……多分会ったこともないかと…。」
「そうか……」
「と言うか、なんの話なんですか?よかったら教えてくれませんか?」
ダイゴは頷くとルーファにも話したことをセレナに言った。
「メガシンカのルーツを探しに……凄いですね。私は3000年前の戦争が関わっているんじゃないかと思っていたので」
「もしかするとカロスとホウエンでは少し異なるのかも知れないね。」
確かに、とセレナが頷いた。その時彼女が着けていた黒いメガリングを見てダイゴは思い出した。
「そう言えばフラダリさんもいたね。でも、彼は確か……」
その名前を聞いた瞬間、セレナの表情は凍りついた。
それをダイゴは見逃さなかった。
「その反応…やはり前に話していたフレア団事件の彼と同じ人、そうなんだね?セレナちゃん」
「…多分そうだと…思います。」
少しぎこちなく頷くセレナ。あの事件の恐怖心を思い出してしまったのだ。
「なんで…あんなことを……っ」
心配そうにグレムが彼女に擦り寄る。大丈夫、とセレナはグレムを撫でた。