メタグロスの"ギガインパクト"はウィンディにクリーンヒット。ほぼ一撃かな。

「…っ!?」

「!!」

　なんて思っていたらウィンディは踏ん張って耐えた。何かを着けている…あれは……

「「気合いの襷!?」」

　体力が満タンの時に技を食らって一撃で倒されそうになった時に発動し、瀕死ギリギリの状態で耐えるという特性「頑丈」と似たような効果がある道具だ。

「まさか、気合いの襷持ちなんて……」

　…非常にマズイ展開になってきた…！

　ダノロビ…ジャローダは草タイプ、メタグロスは鋼、エスパータイプ。共に炎タイプに弱い。
　ましてメタグロスは"ギガインパクト"を使ったせいで反動で動けない。相手はあと一撃で倒せるとはいえ、タイプ相性的にかなり不利だ。うまくダノロビが動ければいいが…万が一外したら……！

　状況が一転し、サイキッカーの男は失笑をこぼした。

「ウィンディ、大文字！」

　ウィンディが口を開き、炎が迸る―――――








































「メタグロス！破壊光線!!」



　ウィンディの横面に破壊光線が当たり、吹き飛んだ。

「なっ!?」

　何が起こったのか理解できない様子のサイキッカーの男はオレとダイゴさん、ポケモン達と吹き飛ばされ、倒れたウィンディを順繰りに見た。

　というか…さっきの声は……

「ダイゴさん、タクト先輩！大丈夫ですか!?」

「「ルーファ(ちゃん)!」」

　やっぱりルーファか……。
　ルーファもまた、さっきのダイゴさんと同じ様にメタグロス(色違い)に乗っていた。

「って、ルーファ！空手王とのバトルは？」

「終わらせましたよ？相手は何か、途中で変に慌てていたので何だろうなーと思っていたら、ダイゴさんやタクト先輩の声が上の方から聞こえたんで、もしや…と思ったんです。」

「………お、おう。」

　…やっぱり、セレナと同じ様にコイツも何か恐ろしいよ…！←

　それはさておき……

「コイツらはなんでこんなことをしようとしたんだ？」

　それが疑問だ。まさかとは思うが…コイツら元々泥棒なのか？

　ブレイン＆パワーズに扮して、しかも実際に戦うのは空手王だけでサイキッカーは裏でサポート技を出しまくっているっていう……
　そして必ず物を懸けて戦い、懸けた物ともう一つ奪っていく……或いは負けても強奪していく、とか………

「…あーーー…なんか、あり得そうだわ、うん。」

《…その線は当てはまりそうですね…》

　まあ、このままにしておくと脱走されそうだし、捕まえておくか。←



.