少年と少女と御曹司
「あ、もしかしてこれって……」
オレとセリアが(謎の)会話をしていると、ルーファが声をあげる。
そして、拳大の何かを拾い上げる。その何かは「石」だ。…でも…あの石はルーファのメガバンクルに反応して僅かに光を放っていた。
「メガストーン…ですよね、ダイゴさん!」
「キーストーンも反応しているからそうだろうね。まずは一つ、か。」
「(まずはって…まだやんのか!?)……まぁ…カロスだと、例の戦争とかがあった地だというのが原因で、メガ石を見つけるのにはキーストーンと特殊な時間帯、という可能性もあるっぽいですけどね。」
そう言いながらもオレはダイゴさんが然り気無く言った「まずは一つ」というのが気になって仕方なかった。←
え、なにこれ。まだやんの!?
こんなツッコミ不在なのに!?
二人を見る限り、これはマジで続けるみたいだ…!うわぁ…オレ帰ろうかな、マジで←
こっそり足音をたてないように逃げる。が、何かがオレの服の襟を掴み上げた。
「ぐえっ!?」
く、首絞まるっ…!
そう思ったがすぐに解放された。振り返ると、色違いのメタグロスがいた。コイツか、掴んでいたのは。
「…ルーファのメタグロス?」
メタグロスは何も言わずにオレを見ている。が、何故だろう。その視線に哀れみの視線が含まれているような気がするのは。
《…ドンマイ、ですって》
「あー……」
セリアがテレパシーでそう伝えてきた。…うん、何となくそんな気はしていた。←
《元親とルーファがああなったらあと二時間は覚悟した方がいい。あとこれ以上のツッコミ不在は困る、と言ってます。》
「に…二時間……だと…!?って…元親って?」
《ダイゴさんのことですって。旅とルーファさんに興味があったから手持ちに加わった、と言ってますよ。》
「へぇ……確かにダイゴさんもメタグロス持ってたしな…だからか。」
にしても、あと二時間もこの状況を耐えなきゃいけないのか…!?どんな耐久レースだ、これ!
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