少年と少女と御曹司
「…で、メガ石を見つけるには…まぁ、可能ならキーストーンを持っていた方が探しやすい、とは聞いたことがありますね。」
あくまでもカロスの場合だが、な。セレナもそう言っていたし…。そう思いながらルーファのとはデザインが違う、自分のグレーのメガバンクルを見た。
「そうなんですか?タクト先輩。でも、確かに見つけやすくはなってる気が…」
成る程ーとルーファは頷いた。
「しかも今回はキーストーン持ちが三人いますからね!人数的にも探しやすいんじゃないのでしょうか?」
ルーファは楽しそうにそう言う。ダイゴさんも楽しそうに頷いていた。
なんだろう、この二人。←
その時はそう思っていたが、この後もっと凄いことになるとは思っていなかった……
―――1時間後―――
「………」
今オレはゲンナリした表情をしていると思う。
それと対照的にルーファとダイゴさんはとても楽しそうにしている。
…なんだこの状況。
しかも、メガ石を探しに来たはずだ!だがルーファとダイゴさんは既に何度も脱線して石探しになる事が。
その度に何度か注意したが……二人は懲りずに何度も脱線した。←
「(……もうやだ、帰りたい。)」
ツッコミ不在すぎて……ツッコミ疲れた。うん。
《タクト、逃げるのですか?》
「ああ…そうしようかと考えてるよ、セリア。」
ボールから出していたクレセリアのセリアが心配そうにテレパシーで話しかけてきた。
《でも…それだと彼女達に迷惑が………あ。》
「迷惑なのはオレがいる方だろうが……。多分、オレはいない方がいいな、うん。」
そう言うと、セリアも頷いた。…視線の先には和気あいあいとしたルーファとダイゴさんの姿が。
あれ、なんかデジャブ?何だろう、イッシュでもリアンとNがそんな感じになっていたのを見た気がする。
「あー畜生…自分で心の傷抉った……」
そして自滅である。もうなにも言うな←
《…25歳の御曹司で元チャンピオンともうすぐ16歳の新チャンピオンって……年齢差、凄くないですか?》
「それ、オレも思ったけどセレナが『恋に年齢差や垣根はないです!』とか言ってたからありじゃね?」
《それでもアウトなのでは……中取ってセウト?》
「かもな。」
ってなんて会話してんだオレら!!←
いや確かにそうっちゃそうだけどさ!!
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