04 #THE END
──アハトの研究室
隠密とか、時々イツキが相手を気絶させるなりしてなんとか辿り着いた。
鍵は閉まっていた…けど、またヘアピンでガチャガチャしてたら開いた。何だコレ、私に鍵開けの才能でもあったとでもいうの…?
そんな風に困惑しながらも、部屋に侵入する。…入っていきなり警報が鳴る、とかいうのは無いみたいだ。
「…さすがに今回は要警戒だね、イツキだけじゃなくてミイヤも頼むよ」
「了解です」
『はいよー』
薬学研究者、というのもあって本棚だけでなく薬品棚も置かれている。…探す時は色々と注意した方が良さそうだ。
ヒサメの部屋の時と同じように手分けして気になるものを探す。
パソコンを開き、自作のソフトで片っ端からロックを解除しまくる。
研究記録とかのファイルはどれだろう、と思いながら探していると、肩をトントンと叩かれた。
「ん、どうしたの?」
「実験体名簿を見つけたんだけど…これ、どう思う?」
そう言って零夜からファイルを手渡された。
何だろう?と思いながらファイルを開く。
中身は実験体のホムンクルス達の資料だった。顔写真も付けられている。
それをパラパラと見ていると、ハッと気づいた。
「…写真に写ってるホムンクルス達、みんな髪が白い子ばっかりだね」
「そう。ここには何度か来ていて、その時にホムンクルス達とすれ違ったりもしたこともあるけど、普通に他の髪色のホムンクルスも居たよ。」
「…ということは、意図的に白髪のホムンクルス達を実験体にしようとしてる…?」
「可能性は高そうだ」
そう言って、零夜があるページを開く。
そのページにはヒサメの資料がファイリングされていた。それを見て零夜が眉根を寄せる。
「そうか…ひーちゃんも髪、白かったもんね…。」
白く長い髪で、ピンクと青のオッドアイ。それがヒサメだ。
ファイリングされている他のホムンクルス達と同じように、髪が白い。だから狙われているのだろう。
とはいえ、何故こんなに白い髪のホムンクルスに拘っているのかがよくわからない。
…実は単なるフェチとかそんな理由じゃないよね…。
「んー…なんでこんなに拘ってるんだろーな…」
パソコンの方に戻し、そんなことを言いながら適当にファイルを開く。
開くと「白」という名前の画像ファイルがあった。おっと、これはヒントかな…?と思いながら画像をクリックして開く。
「……うぇ」
開かなきゃよかった、と後悔した。
画像ファイルは、白いラットの死骸の写真だった。
生きてるラットの写真ではなく、死骸。既に死んでるラットと確信出来たのは、首があらぬ方向へ曲がっていたからだ。
というか、私さっきからパソコンでロクでもないやつを発見している気がするんだけども…。
今回のはストレートに精神的ブラクラな画像だしナニコレ……。
…ちょっと怖くなってきたのでパソコンから離れよう…。
ということで今度は机や本棚を捜索してみることにした。
「とか言った矢先にまたラットの死骸の写真んんんんん!!!」
机の引き出しを開けた瞬間目に入った。なんでコレを写真にした!!!
思わず引っ掴んで床に叩きつけた。
近くにいた零夜が何してんだコイツと言わんばかりの目を向けてきたが気にしてられない。
「なんなの…白フェチ?特殊性癖な白推し??どんなフェチなのさコイツ……ふざけんなよ……」
「一体何があったの、ミコト……」
「三行で言う。
・白いラットの死骸の画像発見
・精神的ブラクラに嫌気差したから引き出し開ける
・まさかの同じヤツの写真発見してキレた
以上。」
「……取り合えず散々な目に遭ったのは察したよ」