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04 #THE END


 *

 あれからどれくらい経ったのだろう。体感としては…1時間より少ないくらいな気がする…。

「………ふぅ」

 一度息を吐く。
 何だろう、SAN値チェックを失敗して思いっ切り減少した気分ってこんな感じなんだろうか…と実感した。

「あー…多分落ち着いた」

 (ヒサメのだけど)ベッドに向かってぐにーっと伸びをする。

 ちらっとイツキと零夜の方に目を向ける。
 イツキは私が最初に触っていたパソコンを、零夜は変わらず机の方を調べていた。

「二人ともどう?なにか見つかった?」

「ミコト、もう大丈夫なんですか…?」

 パソコンから視線を外し、イツキが心配そうな表情をしながら私の方を見る。…こうしてみると人間らしくなったなぁとしみじみ思うわぁ……。

「んー、多分だいじょーぶ」

 パソコンの方は多分メールもこれ以上なさそうだし、イツキが何か見つけたのなら何か言うだろうから別に大丈夫、かな…。
 そう考えながら零夜の居る机の方へ向かう。

「そっちもどうよ、れーや君」

「そうだね。目ぼしい物はあの手紙以外なかったかな」

 他には研究者一覧のような資料があって、送り主のアハトについて少しだけ情報があったくらい、と言われた。
 …まあ、正直ヒサメの部屋から得られるのはそんなの多くないとは思っていた。だからこの結果は想定の範囲内だ。

「…んで、メールといい、手紙といい…このドン引きレベルの執着心をお持ちのアハトっていう研究者が滅茶苦茶怪しいよねっていう感じか」

「当然と言えばそうなんでしょうけど…他の研究者からのメールは貰ってたみたいですけどね。それでもこのアハトって奴からだけ異常な貰い方してます」

「これはもう…【クロ】ってやつかな」

 零夜の言葉に私達は頷く。
 クロ、というよりは真っ黒レベルな気がする。…若干露骨な気もしなくないが、怪しいというのは間違いない。

「だねー。次の狙いはアハトの研究室かなー。突撃貴様の研究室!…的な?」

「今度こそ絞めます?」

「場合による!」
「とうとう許可しちゃったよ…」

 イツキの物騒意見にそう返せば零夜に若干引かれた気がする。でも話が通じる相手じゃなかった場合こちらも危険なわけだし、この判断は間違ってない…と思う。多分。

 そんなことを考えながら、ミイヤから貰った館内図と零夜が見つけた研究者一覧を照らし合わせてアハトの研究室の場所を探し出す。時間はそんなに掛からなかった。
 というのも、ミイヤが目星を付けていたうちの一つにアハトの研究室があったからだ。

「よし、みんな行くぞー!」


 
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