03 試練は交錯する
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「えーっと……?どゆこと…?」
「…もう一度言うわよ。
確かに能力の測定自体は問題なく出来たわ。でも、時々ブレるのよ。その所為なのかしら、世界線の特定がどうやっても出来ないの」
セブンスエンカウントから出て、ジュリエッタの所に行って結果を聞いた。
そうしたらこう答えられたのだ。
「結果がブレる……?」
「測定機能自体はちゃんと動いているのよ。でも、結果が毎回異なるの。」
気になって画面を覗くと、確かに異なる数値が毎回出ているようだ。
…おわーお、これは予想外……。と考えながら自分なりに零夜のステータスを見てみる。
ハッカーの異能力者故なのか、ジュリエッタ程のブレはないものの、確かに数値は時々全く別のモノが出てくる。なんじゃこりゃ。
「成る程ね…【僕】と【我々】が繋がっているのが原因かな」
顎に手を当てながら私が出した画面を見ながら零夜がそう言った。
「あー…アレだっけ、別の世界線にいる【零夜】君たちと繋がっているんだっけ…。」
「そうだよ。」
「んー……それらを考慮して再度測定……してみても、うーん…何とも言えない…。」
うーんと唸っていると、ジュリエッタが私の肩をポン、と叩いた。
「それもあって、なんとか時代の特定は出来ても世界線の特定も出来なかったわ。」
「…マージですか……」
となると、ポータルの使用は出来そうにない……という事…?
「………い、一応聞くけど…世界線を渡る要領で時代を遡るという事は…?」
「不可能ではない。ただ…ある程度能力制限もあるから、思うようには出来ない。それ以上に…身体への負担も大きいね。」
「むむ…つまり負担なしでやりたかったからポータルの利用をしたかったという事か…」
「そうなるね」
淡々と零夜は答える。
うむむ……万全の状態で事の解決をしたいという気持ちはよくわかる。だからこそ、この方法を取ろうとしたのだろう…。
…でも何故だろうか、微妙に何か引っかかる…?
「……力になれなくてごめんなさいね。」
「こちらこそ、急に無理難題を押し付けて済まなかった。」
ジュリエッタと零夜のやり取りを見ながら、思考し続ける。
…と、ここまでずっと黙っていたイツキが声を上げた。
「となると……やはりミイヤに頼むしかないのでは……」
…まあ、そうなるよねぇ。
「……?どういうことだい…?」
キョトンとした表情でイツキを見る零夜。
「ポータルが使えないのなら、ボク達を色んな世界に飛ばしている張本人、ミイヤに頼むしかないんじゃないか、という話ですよ」
「あー、アイツなら出来るんじゃねーの。色んな意味で反則技もお手の物だしな」
イツキの意見に同意するように、何とも言えない表情をしているナガミミがそう答えた。
「あー…まあ、その手はあるっちゃあるかもだけど「待って」…あんなやり取りあったからねぇ、無理だよね、れーや君…」
「いや、そういう意味ではなくて…君達は、ポータルを使って【僕達】の居る世界に来ている訳ではないのか…?」
その言葉を聞いて、部屋の中がシーンと静まり返った。