03 試練は交錯する


「ただし、条件としてセブンスエンカウントの次のアップデート内容のテストプレイの手伝いをしてもらうわよ!いいわね?」

「おっけー!」

「ちょっと」
「こちらの意思は無視ですか」

 後ろの方から零夜とイツキが何か言ってるような気がするが気にしない気にしない←

「だってさ、無理難題頼んでるのは私達なんだよ?ならば、それの対価としてこれくらいはやらないとマズいでしょ」

「フヒヒヒ…!確かにそうだなァ、ミコト。良い事言うじゃねぇか」

 いつもの笑い方をするナガミミ。
 イツキが若干心配そうな表情で見ていたが、「わかりましたよ…」と折れたようだ。零夜も「これも仕方ない、か」と一応納得はしてくれたみたい。

「んじゃ、ナガミミ様ー、その二人を先にセブンスエンカウントの方に案内しておいて貰えますー?私はジュリエッタにまだまだ話すことあるから」

「……前言撤回してもいいか?」

「えー酷いなぁ…重要なことなんですよーナガミミ様ァ…」

「…ったく、わーったよ。オイ、そこの野郎二人、行くぞ」

 仕方ねぇな…とぼやきながら、イツキと零夜を連れていった。

 3人が出ていくのを確認して、改めてジュリエッタに向き直る。

「それで?まだ話すことって何かしら」

「あのタイムマシン…【ポータル】はさ、限定的な時間軸には飛べるんだよね。…異世界線を越えることって可能?」

 異世界線、と聞いてジュリエッタが目を見開いた。そしてすぐに考え込むが、少ししてから口を開いた。

「まだそこまでは試したことはないわね。でも、恐らく理論上は可能だと思うわ。…まさか、行きたい時代って」

「お察しの通り。2020年の異世界。…さっき紹介したれーや君…零夜はこことは違う、異世界から来た子。要は、零夜のいた世界線へ飛ばせるようにして欲しいってワケ。」

 ふざけた態度は一切なし。
 真正面からジュリエッタの目を見つめた。

「……本当に無理難題ね。でもまぁ…やるだけやってみるわ。テストプレイにもあの子は参加するんでしょう?その時にデータを取りながらやってましょう」

「さっすが十郎太~!頼りになるゥ!」

「ちょっ…その名前で呼ばないで頂戴!」

 ジュリエッタ…本名の渡真利十郎太とまりじゅうろうたの名前を呼べば慌てた表情を見せる。

「にゃっはは~こう見えて一度は天寿全うした人間ですからーお婆ちゃんの戯れだと思ってくださいな!」

「…時々出てくるそういう態度が心臓に悪いわよ、ミコトは…」

 はぁ…とジュリエッタが溜め息を吐く。

「ほら、アナタも早くナガミミ達の所へ行きなさい。調整するにも出来ないわよ」

「おっとそうだった。んじゃ、行ってくるねージュリエッタ!」

 ばいばーい!と手を振りながら部屋から出て行き、イツキ達が先に行ったであろうセブンスエンカウントのある建物へ向かった。

 

 
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