02 #TRUE INTENTION
実をいうとね、友達を助ける為に過去に飛んだことがあるんだ。
その世界線では、私を残して友達二人が事故で死んでしまうという、私にとっては「死ぬ程辛い」結末。
“私”は認めなかった。
この結末を、認めない。認めなかった。
ミイヤに聞けば、何処かでエラーが生じて二人が死ぬようになってしまっていたらしい。
──本来は、そうなるはずはなかったというのに。
ならば、そのエラーが起きた箇所を修正し、対策すれば二人は死なない。
だから、対策方法を調べに調べまくった。
そうして、“私”は肉体と精神の消失を前提にした過去の私の元へ現れ、起きて欲しくない未来を視せた。
「こうなって欲しくないでしょ?だったら、死ぬ気でこれを回避するしかないんだよ」
と、我ながら無茶苦茶なこと言ってきたと思うんだよね。…ま、そういう辺り、間違いなく私だと確信できた。
私は“私”の言う通り、死ぬ気で対策の為に奔走した。
……結果?
うん、二人は助かったよ。
危うく私が死にかけたけど、そこはイツキが助けてくれた。
“未来の私”が視せた、未来は回避できた。
……その後、“未来の私”はどうなったのか?
──ねぇ、そんなの、わかるでしょう?
未来を変える為に、過去へ行く。
過去が変われば、未来も変わる。
つまりは、そういうことなんだよ
ねぇ、零夜。
きっと、キミはその覚悟の上で来たというんだろうね。
だから私は、キミに力を貸そうと思ったんだ。
──あの日消えた、“未来の私”が今の私に力を貸したように。